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企業ブランドの維持・向上に向けソーシャルメディアなどAIでモニタリングするサービス、日立製作所が開始

DIGITAL X 編集部
2019年9月19日

企業ブランドの維持・向上を図るためにソーシャルメディアなどの書き込みをAI(人工知能)でモニタリングするサービスを日立製作所が2019年10月1日から開始する。独自のWeb検索技術と、テキスト/画像の認識技術を使いブランドを侵害するコンテンツを早期に特定する。2019年9月12日に発表した。

 日立製作所が2019年10月1日に開始する「ブランドモニタリングサービス」は、SNS (ソーシャルネットワーキングサービス)やブログ、スマートフォン用アプリケーションのネットストア、さらにはイントラネットなど、企業が指定するWebサイトを網羅的にモニタリングするサービス。

 日立独自のWeb検索技術(クローラー)と、テキストや画像を認識するAI(人工知能)を使い、社名やロゴ、製品などの表示基準、ブランドルールを学習しに、ネット上に企業ブランドに関連する情報や、ガイドラインに沿っていない表示などを判断し、分析結果をレポートにまとめたり、管理ポータルを介して提供する(図1)。

図1:日立製作所の「ブランドモニタリングサービス」の概要

 ブランドモニタリングサービスは、(1)無許諾スマートフォンアプリ検知、(2)ブランド適正利用管理、(3)機密情報漏えい検知の3つのサービスからなる。

 無許諾スマートフォンアプリ検知サービスは、社名やロゴを悪用しているアプリを検知するもの。Google PlayやApp Storeのアプリストアを海外の140カ国以上のサイトを含めモニタリング、企業名やロゴを不正利用している可能性のあるアプリを検知し、定期レポートとして提供する。

 ブランド適正利用管理サービスは、企業ロゴなどがガイドライン通りに利用されているかどうかを検知するもの。企業ロゴのサイズや配置、ページデザインなどのブランドルールをAIで学習し、ルールに沿っていない違反コンテンツを検知する。問題があるサイトは、問題が是正されるまで該当ページの最新状況をトラッキングする。社員やグループ企業などによる適正なブランド利用の管理を支援する。

 機密情報漏えい検知サービスは、発表前の製品写真や社外秘資料など機密情報の特徴をAIで学習し、外部への漏えいを検知するもの。定期レポートとして提供する。企業はいち早く事態を把握し迅速に対応することで、情報の拡散による被害拡大などのリスクを低減できるとしている。

 本サービスの提供により、ブランド侵害コンテンツの特定・対処などを迅速化し、従来、手作業で行っていたブランド管理業務の効率化・高度化や、企業ブランドの強化・毀損リスクの防止に貢献していく。

 経済がグローバル化し、M&A や企業再編が増える中で、ブランドは、株価や商品の購買意欲、優秀な人材確保などにも影響を与えるため、そのガバナンスの強化が求められている。インターネットやモバイルの普及により、SNSやスマホアプリなどのソーシャルメディアにおけるブランド対策が急務担っているという。