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AIシステムへの世界の支出額は2023年に約980億ドル、米IDCが予測
AI(人工知能)システムに対する世界の支出額は2023年に979億ドル(10兆6000億円弱。1ドル108円換算、以下同)に達する──。こんな見通しを米調査会社のIDCが示した。支出額が最も大きい業界は小売りと銀行で、いずれも2019年の投資額は50億ドル(5400億円)以上と見込まれる。同社日本法人IDC Japanが9月18日に発表した。
米IDCは、『Worldwide Artificial Intelligence Systems Spending Guide』において、9地域32カ国の19業界を対象に、26のユースケースからAI(人工知能)関連のビジネス機会を算出した。結果、2019年のAIシステムへの投資額は375億ドル(4兆500億円。1ドル108円換算、以下同)で、これが2023年には19年比で2.5倍以上の979億ドル(10兆6000億円弱)になると予測する。2018年から2023年までの年間平均成長率は28.4%だ。
業界別に見ると、2019年時点でAIシステムへの支出額が最も大きいのは小売りと銀行で、いずれも50億ドル(5400億円)以上が見込まれる。2023年に向けて大幅な投資が予測されるのは、組み立て製造、プロセス製造、ヘルスケア、専門的サービスだが、支出の伸びが最も大きいのは、メディアと政府機関になる。
地域別には、2023年までのAIシステムへの総支出額の50%以上を米国が占めるとみる。それに、西ヨーロッパ、中国が続く。同期間の年間平均成長率が最も高い地域は日本(45.3%)と中国(44.9%)になる。
ユースケース別では、「自動顧客サービスエージェント」「自動脅威インテリジェンス/予防システム」「自動営業プロセスリコメンデーション」が上位になり、2019年の総支出額の25%を占めると見込みだ。同期間中の年間平均成長率が最も高いのは、HR(Human Resources)オートメーション(43.3%)と医薬品研究開発(36.7%)の2領域である。
テクノロジー別にみると、2019年の支出額で最も大きかったのはITサービスで、AIプロジェクトの設計・実装において外部の専門知識が必要とされるためである。2019年時点の支出額ではハードウェアがソフトウェアをやや上回るものの、2023年に近づくにつれソフトウェアがハードウェアの支出額を上回っていく。ソフトウェア支出額の年間平均成長率は36.7%と予測する。