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CDOの過半数が戦略実行より啓発活動中心にとどまる、スイスのエゴンゼンダーが調査

DIGITAL X 編集部
2019年9月24日

CDO(Chief Digital Office:最高デジタル責任者)の過半数が、デジタルトランスフォーメーション(DX)の戦略実行よりも啓発活動に多くの時間を費やしている--。こんな状況が、スイスの経営コンサルティング会社であるエゴンゼンダーの調査から浮かんできた。2019年6月11日(米国時間)に発表した。

 スイスの経営コンサルティング会社であるエゴンゼンダーは、世界20カ国の大企業に属するCOD(Chief Digital Officer:最高デジタル責任者)107人を対象に調査を実施した。結果、役割として「デジタル戦略を実行できている」とするCDOは18%にとどまり、「より啓発活動に多くの時間をかけている」とするCDOが54%に上った(図1)。

図1:過半数のCDOが戦略の実行より啓蒙活動に多くの時間をかけている

 仕事内容が就任前の予想に対し「全く合致していた」とするCDOは8%しかなく、「それほど違わなかった」が54%、「ある程度違っていた」が24%、「とても違っていた」が14%あった。特に予想と違っていた仕事の中身は「企業文化の変革」が80%と最も多く、それに「データの統合とサイロ化の打破」が68%で続く(図2)。

図2:

 調査対象になったCDOの84%は、所属する組織内で初のCDOであり、65%は就任から3年以内だった。現在のCDOは第一世代の「草分け的グループ」であるとしている。

 エゴンゼンダーのグローバル・デジタル・プラクティス・リーダーであるリンジィ・トラウト氏は、「組織もCDO自身も『CDOとは何か』をまだ探っている状態にある。しかし、この第一世代の経験が将来、企業が取る方向性を決定することは明らかだ」と述べている。

 そのためCDOとしては「チームを結集しビジョンを表明できる人材」を選ぶことを推奨。そのうえでCDOには「経営幹部の理解を得る」「CDOは企業文化を常に念頭に置く」「自由に強力なチームを結成できるようになる」「さまざまな方法で成功を積極的に評価する」ことを奨めている。