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金融機関のオムニチャネル戦略を支援するサービス、NTTデータが開始

DIGITAL X 編集部
2019年10月1日

金融機関と顧客の接点を強化するためのサービスを、NTTデータが2019年10月1日から開始する。種々の顧客接点(チャネル)から得られる顧客情報を統合して管理することで、顧客1人ひとりに合わせた一貫性のある顧客体験を提供できるようにする。2019年9月24日に発表した。

 NTTデータが2019年10月1日に開始する「CXMソリューション」は、金融機関と顧客の接点(チャネル)を強化/連携するためのサービス。CXM(Customer eXperience Management:顧客体験マネジメント)の考え方により、顧客と企業との関係を顧客接点において生じる一連の体験としてとらえ直し、体験の質を高めることで顧客ロイヤルティーを長期的に高めることを目指す。

 ファーストユーザーとして七十七銀行(本店:仙台市)が導入を決めた。同行での実証実験では、従来は顧客に100件電話をしてもポジティブな反応は1件しか得られなかったものが、CXMでは、約8.5件の電話で1件のポジティブな反応が得られるようになったほか、商品情報を見て良い反応をしているのに十分にフォローできていない顧客が多数存在することなどが確認できた。オムニチャネルの運用に関わる部署の業務負担も1カ月当たり約1700時間が約100時間に軽減したとしている。

 CXMソリューションは、(1)CXM基盤と(2)業務支援サービスからなっている(図1)。

図1:「CXMソリューション」の全体像。各種チャネルの顧客情報を統合管理し、最適な情報を適時に配信する

 CXM基盤は、種々のチャネルから得られる、顧客の契約状況といった属性情報や操作履歴のような行動情報などを統合して管理する。チャネルとしては、店舗やコールセンター、ATM、インターネットバンキング、スマートフォン用アプリケーションなどが対象になる。

 これらの情報の更新や反応から選択した商品案内情報などを各チャネルへ連携して配信することで、顧客1人ひとりの行動(ニーズ)に適したタイミングで情報を提供する。たとえば、顧客がATMで新商品の概要情報を閲覧したら、その商品の詳細情報を記載したWebページのURLをスマートフォン用アプリケーションにプッシュ通知するなどだ。

 デジタルチャネルとコールセンターの情報を組み合わせれば、コールセンター業務の効率化が図れる。新商品の概要情報を他チャネルで閲覧した顧客がコールセンターに問い合わせてくれば、概要説明を省き詳細説明から始めるなど、重複していた手順や説明を短縮できる。

 業務支援サービスでは、コミュニケーションルールの作成・登録や、効果測定レポートの作成などをNTTデータが代行する。金融機関としては、顧客との1対1のコミュニケーション結果を確認しながらPDCAサイクルを運用できるため、顧客とのコミュニケーションの質・量の向上が期待できる。

 CXM基盤は、NTTデータのクラウド環境「OpenCanvas」上で動作している。同社のインターネットバンキング「AnserParaSOL」やアプリバンキング「My Pallete」といったチャネルとの連携インタフェースを備えている。