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分析に不可欠なデータの準備作業をAIで効率化するサービス、日立製作所が開始

DIGITAL X 編集部
2019年10月4日

データを分析できる形に整える準備作業の効率をAI(人工知能)で高めるサービスを日立製作所が2019年10月2日に開始した。顧客やプロジェクトごと専用環境を用意し、分析対象であるデータに対し、欠損値やデータ間の関連性などをAIが提案する。同日に発表した。

 日立製作所が開始した「Data Preparation Service」は、データ分析に取りかかる前に発生するデータの“前処理”をAI(人工知能)を使って効率的に実施するためのサービス(図1)。データ分析のほか、AIやIoT(Internet of Things:モノのインターネット)システム、業務システムなどへ入力するデータの整備にも利用できる。

図1:「Data Preparation Service」の概要

 前処理作業は、データ分析作業全体の8割を占めるともされ、その効率化が大きな課題になっている。IoTなど多様で大量なデータの分析への期待が高まるなかで、現場で生成されるデータには項目の定義情報がないことや、同種のデータがシステムごとに異なる名称で管理されていることなどから、データの仕様の把握や形式の統一、類似データの統合といった作業が必要になるからだ。

 また複数のシステムや、社外データなどを組み合わせて分析する際などは、データ統合のミスが分析結果に影響し、失敗につながるケースも多いため、データの前処理においても専門性や属人性を排除するなど精度の向上が求められている。

 Data Preparation Serviceでは、多種多様なデータを解析し、仕様や傾向を把握するほか、欠損値の補完や異常値の排除など「クレンジング」と呼ばれる作業に対し、加工方法の検討から検証、実際の処理までをAIで代替することで、効率を高める。データの項目名や欠損値、データ間の関連性などをAIが提案する。

 前処理は、企業やプロジェクトごとに専用に用意した環境で実施する。データサイエンティストなどが保有するデータ加工ノウハウを登録し共有することもできる。それらノウハウはコーディングレスの画面操作によりロジックを検証できる。

 Data Preparation Serviceの利用料金は個別見積もりになる。