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音声が絡む業務をAIで自動化するサービス、NTT Comが開始
音声に関連する業務プロセスを、AI(人工知能)を使って自動化するサービスを、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)が2019年10月2日に開始した。コンタクトセンターの顧客接点強化やオフィス業務の効率化などに対応する。同日に発表した。
NTTコミュニケーションズ(NTT Com)の「ボイスデジタルトランスフォーメーション(ボイスDX)」は、音声が絡む業務プロセスをAI(人工知能)を使って自動化するサービス。自社が持つ音声関連サービスのほか、パートナー企業が持つ技術やサービスを組み合わせて提供する(図1)。
具体的には、NTT Comが手がけてきたフリーダイヤルやナビダイヤルなどの音声サービス、言語解析AIの「COTOHA」のほか、NTTグループのRPA(ロボティックプロセスオートメーション)ツールの「WinActor」、音声関連APIサービスの「Twilio」(米Twilio製)、クラウドストレージの「Box」(米Box製)、CRM(顧客関係管理)などの「Salesforce」(米Salesforce.com製)などである。
ボイスDXには、「コンサルティングモデル」と「パッケージモデル」の2種類がある。コンサルティングモデルは、2018年12月に開始した「コンタクトセンターDXソリューション」の内容を引き継ぐもの。業務設計コンサルティングや、AIのパフォーマンスを最適化するためのチューニングなどのマネージドサービスも提供する。
AIとRPAを組み合わせたり、APIを介してAIと連携したりすることで、コンタクトセンター業務の自動化を図り、生産性を高める。たとえば、電話による商品の受注から、在庫照会、注文確定などの業務まで、コンタクトセンター業務のプロセス全体を自動化できるとしている(図2)。
電話での問い合わせ対応では、FAQ(よくある質問と回答)のパターンをAIに学習させ自動応答を可能にする。24時間の問い合わせ対応体制が構築できる。AIで応対できない場合は、人間のオペレーターに引き継ぐ。
一方のパッケージモデルは、定型業務や、稼働率が高いプロセスを自動化するために設計したパッケージ。「一斉自動コール」「音声日報入力」などを用意する。
一斉自動コールは、緊急時などに多くの相手に一斉に電話をかける仕組み。伝えたい内容をテキストで入力すると、その内容をAIが音声に変換し、電話を自動発信する。応答状況を把握でき、その内容をテキストにもできる。
音声日報入力は、CRMアプリケーションなどと連携し日報を自動で作成する仕組み。電話を掛けて、応対するAIに答えていくことで日報を作成する。
今後は、話中や留守番電話の間にかかってきた電話にAIが対応し会話内容をテキスト化する仕組みや、AIによる音声翻訳、顧客ニーズの分析といったパッケージの提供を予定する。
パッケージモデルのトライアルとして、日本情報通信(NI+C)が製品/サービスなどの運用保守業務を対象にしたPoC(Proof of Concept:概念検証)を2019年10月から開始する。故障検知からシステムエンジニア(SE)への連絡、SEによる応答内容の可視化までの自動化を目指す。
第1段階として、一斉自動コールパッケージを使い、監視担当者からSEへの一斉連絡と応答内容の収集までの自動化を検証する。監視担当者がSEに伝えたい内容をテキストで入力し、それをAIが音声に変換し、SEに一斉に電話をかける。SEの応答内容をテキスト化し、応答状況を可視化し一元管理する。
コンサルティングモデルは、2019年10月2日から提供を始めている。パッケージモデルは2020年度の提供を予定している。