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仏ミシュランと独コンチネンタル、天然ゴムの持続的サプライチェーンに向けスマホアプリに特化した開発会社を設立

DIGITAL X 編集部
2019年10月16日

タイヤメーカーの仏ミシュランと独コンチネンタルが、スマートフォン用アプリに特化した開発会社を、農業用ソフトウェア発大手の仏SMAGとともに設立する。タイヤの原料である天然ゴムのサプライチェーンの持続性を高めるためのアプリケーションを開発する。2019年10月3日にミシュラン日本法人が発表した。

 仏ミシュランと独コンチネンタル、仏Smagの3社が合弁で設立するのは、天然ゴムのサプライチェーンを表示するためのスマートフォン用アプリケーション「Rubberway(ラバーウェイ)」の開発に特化した会社。2019年末までに事業を開始する予定である。

 Rubberwayは、世界のタイヤメーカを中心に設立された「持続可能な天然ゴムのためのプラットフォーム」(Global Platform for Sustainable Natural Rubber:GPSNR)に準拠したスマホアプリ。2017年からミシュランと、農業向けテクノロジーを手がけるSMAGが共同で開発しており、これまでに天然ゴムの主要生産国であるタイ、インドネシア、コートジボワール、ナイジェリア、ガーナ、ブラジルなどで活用されている。

 合弁事業において、ミシュランは、これまでに開発した技術の使用権と利用機会を提供し、SMAGは農業における技術的かつ専門的知見を提供する。コンチネンタルは、他のタイヤメーカーや自動車部品メーカーへのRubberwayの利用促進を担う。

 天然ゴムのグローバルなサプライチェーンには、農園従事者が約600万人、仲介者が10万人、加工工場が500カ所超などが介在している。

 そのサプライチェーンにおいてRubberwayは、農園から加工工場に至るまでの環境/社会問題やCSR(企業の社会的責任)活動に関する慣行とリスクに関するデータを収集しており、タイヤメーカーは、天然ゴムのサプライチェーンにおける持続可能性を高めるための改善につなげられる。

 合弁会社では、Rubberwayを天然ゴム産業にかかわるすべてのステークホルダーが手軽に使用できるようにすることで、サプライチェーンの透明性の向上を目指したい考えだ。