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製造業のIoTデータを活用するための収集・分析基盤、CTCが提供開始
製造業が持つIoT(Internet of Things:モノのインターネット)データをAI(人工知能)などで分析するための基盤を、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が2019年11月26日から提供している。生産計画の最適化を図るといった目的に向けたデータ分析機能やシミュレーション機能を提供する。同日に発表した。
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が提供を始めた「デジタルツインソリューション」は、工場などのIoT(Internet of Things:モノのインターネット)データを分析・活用するための基盤。IoTデータの収集機能のほか、AI(人工知能)によるリアルタイムな予測や、計画策定などに向けたシミュレーション機能を提供する(図1)。
AIとシミュレーションを組み合わせることで、たとえば、工場設備の異常を予測し、その予測に基づきシミュレーションを実行することで最適な生産計画を算出できるという。シミュレーションのパラメーターをAIで調整し計画策定の効率化につなげることなどもできるとしている。
データ収集とAIの実行環境には、米SAS Institute製IoTソフトウェア「SAS Event Stream Processing」を使用している。大量データのフィルタリングや正規化、分類、集約、標準化、クレンジングなどを実施できる。エッジ側でのAIによる分析も可能である。
シミュレーションソフトウェアには、英Lanner Group製の「witness」を採用する。生産ラインや物流などの種々のプロセスのモデルを作成でき、アニメーションでの可視化やレポートなどを提供する。最新版の「witness 22 Horizon」では、無人搬送車や無人搬送ロボットへの給電システムのモデル化など、デジタルツインや工場のIoT化に向けた機能を提供する。
デジタルツインソリューションの提供に向けては、デモシステムも構築した。データ収集のためのIoTソフトウェア「WORKFRONT/IoT」(日立ケーイーシステムズ製)や、センシングとエッジコンピューティング用の端末「SENSPIDER」(マクニカ製)を組み合わせている。
CTCは今後、デジタルツインソリューションの提供で得たノウハウを基に、AIとシミュレーションの連携によるモデルの高精度化に努めるとしている。
また、5Gの普及に合わせて、デジタルツインの対応範囲を拡大し、工場内にとどまらず、都市や交通、エネルギーなどの分野への適用も考えている。