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日本の知識労働者(ナレッジワーカー)の82%が「毎日残業」、米Asana調べ

DIGITAL X 編集部
2019年12月10日

「オフィスや自宅で毎日残業する」という知識労働者(ナレッジワーカー)の割合は、日本は82%で調査6カ国中最高--。こんな調査結果を、タスク/プロジェクト管理ツールを開発・販売する米Asanaの日本法人が2019年12月2日に発表した。知識労働者の仕事のためのITツールの使用率も日本が調査国中最低という結果だった。

 『仕事の解剖学』は、知識労働者(ナレッジワーカー)の勤務時間の使い方など、仕事に関する行動と意欲を調べたもの。タスク/プロジェクト管理ツール「Asana」を開発・販売する米Asanaが、英調査会社のSapio Researchと共同で2019年8月~9月に実施した。

 対象は、日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、オーストラリア、ニュージーランドの6カ国の知識労働者1万223人。知識労働者の定義は「時間の大半をオフィスで過ごす、またはタスクを完了させるために50%以上の時間をコンピューターやデバイスに向かって過ごすプロフェッショナル」である。

 同調査結果によれば、「オフィスや自宅で毎日残業する」とする回答の割合が、日本は82%に及び、6カ国中で最も高かった。「1日の仕事の何割を生産的と感じるか」も日本は世界平均の70%に対して日本は54%と6カ国中で最低だった。「自分の仕事が組織の目標達成に役立つものだと認識できている」とする回答者も19%にとどまり、調査平均である46%の半分以下にとどまった。

 「自分の会社が効率化されていると感じる」とする割合も、調査国中で最も低かった。「仕事の手順やプロセスを管理する(進行状況を追跡したり整理したりする)方法を持っている」組織は39%にとどまり、管理職でも「部門内でどれだけ仕事が進んでいるか理解できている」とする回答割合は24%である。

 日本の知識労働者は、メールへの過度の依存や、仕事の進め方についての会議、仕事の管理のためのコミュニケーションなど、「仕事のための仕事」に労働時間の59%を費やしていた。仕事量についてストレスを抱えている日本人回答者が26%あった。仕事に関するITツールの使用が日本は最低で、ツールによるストレスの低減が最も図られていない現状も浮かんできた。

 『仕事の解剖学』結果から米Asanaは、知識労働者の最大のストレス源は、働き方の実態が相互に作用するなかで、経営陣からの効率化に向けたサポートの欠如と、仕事に対するフィードバックや透明性の欠如にあるとみている。

 具体的には、日本の多くのチームが、増える仕事量と「仕事のための仕事」に直面し、処理能力と燃え尽き症候群(バーンアウト)のバランスが課題になっている。自分の仕事が企業の目標に、どのように貢献しているのかを個々人が理解できているかが、自信や熱意、集中、組織の連携や団結に影響を与えている。

 そのため、メンバー全員が共通の優先事項を確認し、話し合い、実行でき、それぞれの労力を調整できるシステムが求められるとする。メンバーがメールやチャットのスレッドを見なくても、「何を、いつまでにする必要があるか」を理解できるようにし、管理職は、仕事が適切に整理され日々の成果との関係を理解できるようにする必要があるという。