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SDGsへの投資判断に必要なデータを定義・提供する国際アライアンスが発足

DIGITAL X 編集部
2020年1月28日

SDGs(持続可能な開発目標)への投資を判断するために必要なデータを提供するための国際的なアライアンスが発足した。投資判断に必要なデータなどを研究・提供することで、SDGsへの投資を加速するのが狙い。同アライアンスの構成メンバーに入ったREFINITIVの日本法人であるリフィニティブ・ジャパンが2020年1月22日に発表した。

 設立されたのは「フューチャー・オブ・サステナブル・データ・アライアンス」。創設メンバーには、ダボス会議を主催する世界経済フォーラムや、国連、国際金融協会、公的通貨金融機関フォーラム、精華大学、アジア証券金融市場協会、グローバル金融市場協会、BMCE Bank of Africa、GoImpact 、REFINITIV(旧トムソン・ロイターのファイナンシャル&リスク部門)といった団体・企業が含まれる。

 同アライアンスの目的は、SDGs(持続可能な開発目標)に対する投資を加速させるために必要なデータなどの定義や提供である。SDGsが掲げる世界の貧困や飢饉などの解決には長期的かつ巨大な資金が必要だが、企業などが投資する際の判断材料が不十分だからだ。

 具体的員は、気候変動や人口動態の変化、世界市場の変化などによる影響を定量化したり比較したりするための情報の整備が初期段階に留まっている。SDGs関連分野を対象にしたESG(Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)投資も広がるが、そのためのESGデータへのアクセスと、ESGに関するオルタナティブ(代替)データが必要だとされる。

 ESGデータは、投資家が持続可能な開発目標へ向けたプロジェクトに投資する際の基本的なデータである。世界経済フォーラムの金融・通貨システムイニシアチブの責任者は、「データへのアクセスは低炭素で持続可能な経済への転換において中心的な役割を果たす。企業はESGデータにアクセスすることによってのみ情報に基づいた持続可能な投資に関する意思決定を下せる」と述べている。

しかし、ESGに関連するデータと基準が不足しているのが実状だ。新アライアンスでは、ESGデータの整備と標準化を進め、SDGsに対する投資の意思決定を促したい考えだ。

 ESGデータに関して同アライアンスは次の3つの目標を掲げている。

(1)ESGデータを意思決定に正確に統合するために、投資家と政府の将来のデータ要件を明確化する
(2)SDGs関連のリスクとその影響をより考慮したい投資家が求めるデータとそのデータをどのように満たすかを決定する,
(3)持続可能な開発への移行において新しい技術とデータセットが果たすべき役割を強調する

これらの取り組みによって投資家は、(1)持続可能性とパフォーマンスに関する質の高いデータの入手、(2)AI(人工知能)と機械学習によるデータ分析、(3)戦略的回復力に関する情報に基づく判断、が可能になるとしている。