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ビルの空調を赤外線センサーで計測し制御するシステム、アズビルが発売

DIGITAL X 編集部
2020年2月28日

ビルの空調において快適性と省エネの両立を図るために赤外線センサーで計測し制御するシステムをアズビルが2020年2月13日に発売した。在室者が暑さ/寒さを感じる前に空調を調整する。人がいないエリアの照明を弱くすることもできる。同日に発表した。

 アズビルの「赤外線アレイセンサシステム」は、ビルの空調において快適性と省エネルギー化の両立を支援するシステム。在室人数や日射、発熱するOA機器の表面温度を赤外線センサーで計測することで空調や換気をリアルタイムに制御する。

 快適性は、在室者が暑さ/寒さを感じる前に調整することで維持し、省エネは不在エリアの空調を弱めたり照明を暗くするか消灯したりして実現する。特に受付エリアや会議室など人の出入りの多い広い空間での利用を想定している。

 赤外線アレイセンサシステムは、コントローラー(監視システム)と赤外線アレイセンサーからなる。 コントローラーは、センサーからの情報を基に、発熱量や人の位置、推定人数など温度変化の要因を算出し、フロア全体の温度分布を把握する(図1)。

図1:コントローラーの人数推定画面の例。人の位置なども分かる

 赤外線アレイセンサーは、天井や壁面に設置し、赤外線を検出して温度を測定する。赤外線のため、静止している人も検知し続けられるほか、カメラ画像のように鮮明ではないためプライバシー侵害を回避できるとしている。

 設置方法や天井の高さに応じて複数製品がある(写真1)。2019年度グッドデザイン賞を受賞している。

写真1:温度を測定するための赤外線アレイセンサー

 今後は、防犯対策やデータセンターにおける温熱環境の異常診断など、安全・安心が求められる用途への展開を予定している。アズビルは初年度に3億円の売り上げを目指す。