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ヒアラブルデバイスで人の動きを把握できる仕組みのトライアルサービス、NECが開始

DIGITAL X 編集部
2020年2月28日

耳に装着する「ヒアラブルデバイス」で人間の耳には聴こえない音で個人を識別するなどで人の動きを把握できる仕組みのトライアルサービスをNECが2020年2月13日から開始している。ヒアラブルデバイス装着者の体調や状態を可視化したり、業務上の課題を把握したりを6カ月間、試用できる。同日に発表した。

 NECがトライアル用途で提供するのは「NEC ヒアラブルデバイストライアルキット」(写真1)。ヒアラブルデバイスに搭載した「耳音響認証技術」で測定する人間の耳には聞こえない音や、各種センサーで計測するバイタルデータなどから、誰が、いつ、どのような状態になるかを把握できるとする。

写真1:ヒアラブルデバイスの外観と装着例

 またクラウド上の分析環境により、騒音環境下でも明瞭な音声でコミュニケーションしたり、センシングデータから作業内容を可視化することで、新たな気づき業務改善ポイントを把握したりも可能になるとしている(図1)。

図1:サービスの概要

 NECでは、次のような利用場面を挙げている。

製造現場などの現場改善・有資格者確認 :有資格者などの本人確認や、作業者ごとの作業内容や時間の記録に基づき、業務の改善ポイントの把握やマニュアル化をうながす。作業者スキルの平準化や生産性向上を支援する

公共インフラなどの屋外メンテナンス作業者の安全管理 :高所や、カメラが設置できない場所で、作業者の作業内容や時間を把握する。防護服着用時や1人での作業時に、作業者の状態を把握することで注意喚起を促すなどが可能になる

倉庫内作業者の検品作業効率化 :荷物の計測結果や作業リストのチェックを作業を継続しながら音声で記録する

医療現場の遠隔コミュニケーション :メガネやマスク、手袋を装着した状態で入退室する際の本人確認や、遠隔のナースステーションあるいは他の専門医とのコミュニケーションによる現場支援

 労働力人口の減少や労働時間に関する規制強化を背景に、働き方改革が推進されている。特に、工場や屋外作業などの現場では、管理者は作業内容の把握に加え、環境に応じた現場作業者の安全確保など、きめ細やかな配慮が求められている。そこに、ヒアラブルデバイスによる状況把握が活用できるとみている。

 NECは今後、ヒアラブルデバイスの適用範囲を広げるために、サービス事業者やデバイスメーカー、システム構築者などと共創や実証実験を進めたい考えだ。