建設業向けIoTプラットフォーム「LANDLOG」と連携するクラウドERP、ドコモとSAPが共同開発へ

　「LANDLOG（ランドログ）」は建設業界向けのIoT（Internet of Things：モノのインターネット）プラットフォーム。建機などの稼働データや、ドローンで撮影した地形の3Dデータ、および工事に関連する各種データを一元管理できる。コマツとSAPジャパン、NTTデータ、オプティムが出資するランドログが開発・運営している。

　今回、LANDLOGと連携し、IoTデータを含めた経営情報を扱うERP(統合基幹業務システム)のクラウドサービス「ランドログERP（仮称）」を、NTTドコモとSAPジャパンが共同で開発する。一般にIoTなどのデータとは別システムで管理されている工事書類や工事原価、財務会計、販売や購買、顧客などの情報を一元敵に管理することで、生産性向上や事務作業の効率化、さらには働き方改革などへの取り組みを支援する（図1）。

図1：「LANDLOG ERP(仮称)」が目指すサービスの位置付け

　ランドログERPは、SAPが提供する中堅・中小企業向けERPパッケージ「SAP Business One」をベースに必要な機能を追加開発する。工事の進捗状況データなどをリアルタイムに反映し、予算進捗状況を常に確認したり、建設業界特有の会計処理に対応したりする。中堅・中小の建設会社が導入しやすい料金設定も目指すとしている。

　システム開発と並行して、ランドログERPの機能を定量的に検証する試験導入企業や、ランドログERPと接続する周辺システムを持つ会社などを対象にした「ランドログパートナー制度」への参加企業を、それぞれ募集する。

　試験導入企業として、福島県会津若松市にSAPジャパンが開設した「SAPイノベーションフィールド福島」の活用を前提に、同市の地元企業による実証実験を検討している。

　ランドログパートナー制度では、東京海上日動火災保険が第1弾の連携パートナーとして参加した。ランドログERで収集したデータを利用した損害保険引き受けに関するサービスの高度化や保険金支払い業務の効率化などを検討する予定である。