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農業用ハウス内の温度・湿度のムラをLPWAで可視化するシステム、NTTテクノクロスが発売

DIGITAL X 編集部
2020年3月26日

農業用ハウス施設内の温度・湿度をムラを可視化するシステムをNTTテクノクロスが2020年4月1日から販売する。広いハウス内の環境の差を把握することで、生育差や収量差、疫病の発生原因の定量的な評価を可能にする。2020年3月23日に発表した。

 NTTテクノクロスが2020年4月1日から販売する「Fermier Monitor(フェルミエ モニター)」は、農業用ハウス施設内において多地点と温度・湿度を測定し、環境の差(ムラ)を可視化するシステム。生育差や収量差、疫病の発生原因を定量的に評価することで、収量や品質の安定化につながるという。

図1:「Fermier Monitor」の構成イメージと画面例

 多地点の計測は、LPWA(Low Power Wide Area)通信を使ったセンサーを使って実現した。たとえばセンサーを暖房機付近と出入口付近、天井付近、地上部付近などに設置することで、それぞれの温度や飽差(ある温度と湿度の空気に、あとどれだけ水蒸気の入る余地があるかを示す指標)を把握できる。センサーは電池駆動で約3年間利用できるとしている。

 センサーで集めたデータは、一般的なグラフ表示のほか、同一時間帯の温度を1度ごとに色付けし3D(3次元)マップとして表示できる。各時間帯の温度・飽差のムラを可視化することで、収量差の出やすい温度ムラを解消するための温度制御につなげられる。

 オプションで、複数のハウス間の環境比較や任意のセンサー間の環境比較といった分析も可能になる。

 ハウス内の温度・湿度は、農作物の成長に影響する。そのためIoT(Internet of Things:モノのインターネット)などを使ってハウス施設内の環境を制御することで、収穫量の増加や品質の安定化、季節を問わずに育成する周年栽培などへの取り組みが進んでいる。

 しかしNTTテクノクロスが検証したところ、密閉空間であるハウス施設内の空気は循環しづらく、環境制御技術を使っても温度・湿度に偏りが出ることが分かったという。