• News
  • 共通

第5回「JEITAベンチャー賞」、AI関連企業など8社が受賞

DIGITAL X 編集部
2020年3月26日

第5回「JEITAベンチャー賞」の受賞企業8社を電子情報技術産業協会(JEITA)が2020年3月24日に発表した。8社のうち3社がAI(人工知能)を手がける企業だった。そのほか、自動運転などに使われる高精度3次元地図や、5G関連の無線中継技術、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)を活用した遠隔医療などを開発する企業が受賞した。

 電子情報技術産業協会(JEITA)が実施する「JEITAベンチャー賞」は、電子情報技術業界の発展につながるベンチャー企業を支援するとともに、JEITA会員企業とベンチャー企業の共創・連携・エコシステムの構築を支援するための賞。政府が掲げる「Society 5.0(超スマート社会)」の実現に向けたCPS(Cyber Physical System)/IoT(Internet of Things:モノのインターネット)分野の取り組み強化の一環でもある。

 JEITAベンチャー賞は、(1)成長性(先導性)、(2)波及性、(3)社会性の3つの視点から審査・選考されている。第5回となる今回は、以下の8社が受賞した。

アラヤ

 深層学習を用いた画像認識技術を持つ。精度をほぼ変えずにAI(人工知能)モデルを30分の1に圧縮して演算量を削減したことで、自律的に動くロボットやドローンなどを開発できるようにした。今後、5G世代のエッジデバイスへの適用が期待される。

AIメディカルサービス

 内視鏡の画像診断を支援するAIを手がける。がんなどの可能性のある要注意箇所を、熟練の専門医と同等の精度で検出する2次読影支援サービスにおいて、検出率99%を達成している。

サイキンソー

 人の腸内細菌叢(腸内フローラ)のDNA検査やAI解析を基に、種々の病気の可能性や未病段階での予防/生活改善に関して助言している。「安価、迅速、正確な検査と解析」を目指しており、信頼性の高い健康管理による健康寿命の延長が期待できる。

ダイナミックマップ基盤

 センチメートルクラスの精度を実現した3次元地図データの生成・統合化技術を開発している。自動運転車両の実証実験に使われるほか、除雪やインフラなどにも利用拡大が期待される。

ノベルクリスタルテクノロジー

 次世代のパワーデバイス(電力制御用の半導体)とされる酸化ガリウム(β-Ga2O3)を用いた材料や製品を開発・製造している。パワーデバイスの高性能化と低コスト化の双方を可能にし、耐過酷環境デバイスや高感度イメージセンサー、シンチレータなどの新たな応用展開も期待できる。

PicoCELA

 5Gや無線LANなどの基地局を互いに無線で多段中継する技術を開発している。基地局敷設に必要なLANケーブル配線量を9割以上削減でき、工場内や建設現場、商業設備、イベント会場などでの無線環境構築を容易にする。5Gのうち、地域や設備に特化した「ローカル5G」で重要な基盤技術になると期待される。

ボスコ・テクノロジーズ

 各種機器の制御の統合管理が可能な「Smart Gateway」を開発している。管理対象の機器群と、それらを操作するユーザー端末との間でプロキシ型ゲートウェイとして機能し、ユーザー操作の詳細なログの取得や、機器などのアクセスの制限などができる。機器の導入・運用に関わる手間とコストを削減できる。

リモハブ

 IoT技術を活用して在宅でリハビリテーションを実施できる遠隔医療システムを開発している。心不全患者が在宅リハビリ中の負荷状態や心電波形を医療機関に送信し、医療機関が適切に指導管理すれば、継続的なリハビリが可能になり、患者のQOL(Quality of Life:生活の質)の向上や医療費削減につながる。

 なお、受賞企業がJEITAへの入会を希望する場合は、協会会費が2年間免除される。