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ビル内業務を支援する対話型ロボット「EMIEW」、日立が事業を本格展開

DIGITAL X 編集部
2020年3月27日

ビル内業務を支援する対話型ロボット「EMIEW」の事業を日立製作所が本格展開する。稼働時間や移動性能など実用性能を高めた人型の新機種なども2020年4月20日に発売する。受付や案内、夜間のオフィス巡回などの用途を提案する。監視して残業者に声を掛けることなども可能だ。2020年3月26日に発表した。

 日立製作所の「EMIEW(エミュー)」は、同社のクラウドサービス「Lumada」と連携して動作する対話型ロボット。これまで各種の実証実験を重ねてきたが、事業化を図る。

 人型の自律走行型ロボットでは、たとえばビル内で、日中は受付・案内業務を担当し、夜間はオフィスを巡回監視し残業者に声を掛けるといった使い方ができるという(写真1)。時間帯に応じて業務を切り替えることで、昨今の人手不足対応を支援する。病院や福祉施設などでの利用も想定する。

写真1:オフィスの受付での利用例

 またクラウドを介してエレベーターやセキュリティ機器などビル設備とも連携できるという。将来的には、ロボットが取得したビル内データを使ってビル設備の管理効率を高めたり、ロボットに話しかけてエレベーターを呼び出したりといったことも可能にしたい考えだ。

 事業展開に当たり、最新機種2種類を日立と日立ビルシステムが2020年4月20日に発売する。人型の「EMIEW4」と卓上型の「EMIEW-TT」である(写真2)。

写真2:「EMIEW」の最新機種。左が人型の「EMIEW4」、右はタブレット端末と専用クレードルからなる卓上型の「EMIEW-TT」

 EMIEW4は、身長90センチ、重さ18キログラムの人型ロボット。日・英・中国・韓国の4言語での音声対話機能を持ち、自律走行する。センシング機能の強化で移動性を高めたほか、連続稼働できるよう自動で充電する機能も搭載した。移動速度は最大時速5キロメートルである。

 EMIEW-TTは卓上型の機種。タブレット端末と専用クレードルでEMIEWのアバター(分身)と会話ができる。対話機能のみが必要な場面での利用を想定する。日・英・中国・韓国の4言語での対話のほか、日本語と18言語の翻訳にも対応する。クレードル部分の大きさは22.6×14.0×11.0センチメートル、重さは1.3キログラムである。

 新機種の価格はいずれも個別見積もり。標準納期はEMIEW4が受注後約4カ月、EMIEW-TTは同約3カ月である。