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LPWAによる遠隔検針などを可能にするLPガス事業者向けサービス、三愛石油との共同開発でKDDIが開始
LPガス事業者を対象に、LPWA(Low Power Wide Area)通信を使った遠隔検針やオンライン決済などを可能にするサービスをKDDIが2020年4月1日から開始する。LPガス事業などを手がける三愛石油と2019年から実証実験に取り組んできた仕組みを汎用化し商用サービスとして展開する。三愛石油自身、本サービスを2020年5月から順次導入する。2020年3月30日に発表した。
KDDIの「KDDIガスプラットフォームサービス」は、LPガス事業者を対象にした業務支援サービス。IoT(Internet of Things:モノのインターネット)の仕組みを使った遠隔検針や、請求・決済業務のためのポータルサイト構築などを可能にする(図1)。
同サービスの開発では、LPガス事業などを手がける三愛石油と2019年から実証実験に取り組んできた。サービスの開発にはアジャイル(俊敏な)型の開発手法を採用し、必要な機能を順次拡充できる仕組みになっている。それを汎用的なサービスとして販売する。
三愛石油自身、本サービスを2020年5月より順次導入し、検針・配送業務の効率化を図る計画だ。同社 取締役 ガス事業部長の大久保 宏次 氏は「長期にわたり実証実験を繰り返し、本サービスの立ち上げに協力してきた。当社は本サービスを活用し当社自体の働き方改革を進めるととともに、ガス業界自体の改革により一層取り組んでいく」としている。
KDDI ガスプラットフォームサービスにおける遠隔検針では、IoT向けのLPWA(Low Power Wide Area)無線通信技術の1つである「LTE-M」を採用し、ガスの検針データを日次単位で取得できる。ガスメーターとLPWA通信端末は認定保安機関が24時間365日監視する。
顧客向けポータルサイトでは、顧客への情報配信や料金・決済処理、およびこれらをLPガス事業者が管理するための機能などを提供する(図2)。
情報配信では、請求情報や各社のサービス情報などを配信できる。配信には、SMS(ショートメッセージサービス)、SMSの機能強化版の「+メッセージ(プラスメッセージ)」、および+メッセージを使った配信サービス「KDDI Message Cast」が利用できる。決済にはKDDIの「auかんたん決済」を利用する。
LPガス事業者向け管理機能では、ガス料金の請求情報を掲載したり決済情報を管理したりが可能になる。
2020年6月以降には機能強化も図る。ガスの残量予測、配送ルートの最適化といった機能を予定する。ガス残量予測では、日々の残量を予測し、ガスが切れる日付を算出する。残量のしきい値を設定すれば配送予定日を算出することもできる。
配送ルートの最適化にはAI(人工知能)を使い、配送先を効率的に回るためのルートを算出する。配送先別に担当者を割り付けるのではなく配送日のシフトに基づいて配送ルート数を算出できる。
KDDIガスプラットフォームサービスの利用料は、遠隔検針がLPWA通信端末1台につき月額130円(税別)から。別途端末費用や契約事務手数料などが掛かる。