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新型コロナウイルス対策の医療機関向けマスクなどの3D設計ファイル、米HPが無償提供

DIGITAL X 編集部
2020年4月2日

新型コロナウイルス感染症に対応している医療機関などが必要とするフェイスシールドやマスクアジャスターなどを3D(3次元)プリンティング(印刷)で製造するための3D設計データを米HPが無償提供している。一部は、同社の3Dプリンティング拠点で製造され1000点以上が世界各地域の病院に届けられているという。2020年3月24日(現地時間)に発表した。

 米HPが提供しているのは、検証済みで製品化が可能な3D(3次元)設計ファイル。新型コロナウイルス感染症に対応している医療機関などで必要になるフェイスマスクやフェイスシールド、マスクアジャスター、鼻腔用スワブ、ハンズフリーのドアオープナー、人工呼吸器用の部品などがある(写真1)。

写真1:無償配付されている3D設計ファイルの例(米HPのWebサイトより)

 ほかに、フィールド人口呼吸器やFFP3フェイスマスクなどの3D(3次元)設計ファイルもテストと検証の段階にあるとしている(写真1)。フィールド人口呼吸器は、緊急用の人工呼吸機で機械制御の「バッグバルブマスク(BVM)」用の部品を3Dプリンティングで製造する。

写真2:検証中の3D設計ファイルの例(米HPのWebサイトより)

 これらのファイルを使ってHPは、自身の3D R&Dセンターと、グローバルに展開する「デジタルマニュファクチャリングネットワーク」の認定パートナーと協力し、3Dプリンティングによる部品の生産も始めている。これまでに3Dプリンティングで製造された部品が1000点以上、各地域の病院に届けられているという。

 3D R&Dセンターは、スペインのバルセロナと、米国のオレゴン州コーバリス、カリフォルニア州サンディエゴ、ワシントン州バンクーバーにある。HPは今後も、世界中のパートナーと協力し、最も緊急性の高い需要に応えるために生産を拡大する計画だ。