生産設備の故障の予兆を検知するためのIoT製品、名張HDとJIPが発売

　生産設備の故障予兆をIoT（Internet of Things：モノのインターネット）を使って検知するための製品「ParaRecolectar」を、名張製作所を傘下に持つ名張ホールディングス（名張HD）とNTTデータグループの日本電子計算（JIP）が開発し2020年4月13日に発売する。設備の振動や温度、電流などのデータをセンサーで収集して可視化し、異常時には通知する。

　センサーには、振動、温度、電流、気圧、湿度などがある。生産設備の新旧やメーカーを問わず任意の箇所に取り付けられる。工具や設備の改造も不要という。専門のエンジニアがいなくてもPCの基本的な知識があればデータを容易に取得できるとしている。

　センサーはParaRecolectarに市販のLANケーブルで接続する。ParaRecolectarにはセンサー接続ポートが4個または8個ある。

　ParaRecolectarで収集したデータは、データ分析アプリケーション「ParaReco Visualizer Lite」で可視化する。品質管理のための管理図（平均・標準偏差）や推移図、周波数解析（簡易FFT：高速フーリエ変換）などのグラフをリアルタイムに表示し、機器の状態を監視できるようにする。

　監視のしきい値を設定することで、故障の予兆を検知できるようになるという。大きな故障に至る前に生産設備をメンテナンスすれば、故障の影響を最小限に抑えられる。

　ParaRecolectarの開発に当たり、名張HDとJIPは共同で取り組んできた。名張HDがセンサーデバイスを、JIPがデータ集計アプリをそれぞれ開発し、実証実験などで検証してきた。

　今後は、AI（人工知能）による機械学習などを用いて、故障の検知や予知の精度を高めたり、クラウド版へ拡張したりを検討するとしている。