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情報銀行が持つ個人情報を海外とも連携するための標準仕様、NTTデータが日本-イタリア間の実証実験基に策定

DIGITAL X 編集部
2020年4月22日

情報銀行が管理する個人情報を海外とも連携させるための標準仕様をNTTデータが実証実験を基に策定した。エストニアの電子政府を支える基盤ソフトウェアを介し、日本とイタリア間で個人情報を連携できることを確かめた。2020年10月をメドに商用化を目指す。2020年4月20日に発表した。

 NTTデータが策定したのは、国内外の情報銀行間で、管理する個人情報を連携させるための標準仕様。データ連携に必要な環境やサーバーの設定方法などを定めることで、日本と海外の情報銀行間での個人情報の流通を容易するのが目的だ。

 策定に向けては、NTTデータが持つ情報銀行のためのプラットフォームと、同社のイタリア法人NTT DATA Italiaが持つ情報銀行のためのプラットフォームを、エストニアのCyberneticaが開発するデータ連携基盤「UXP」を介した接続の実証実を2020年1月から2020年3月にかけて実施した(図1)。UXPはエストニアの電子政府を支える基盤ソフトウェアである。

図1:実証実験ではNTTデータの情報銀行用基盤と、NTT DATA Italiaの基盤をデータ連携基盤「UXP」(エストニアのCybernetica製)を介して接続した

 策定した仕様が実用化された際のメリットとしてNTTデータは、たとえば病院の受診情報などの個人情報が流通されれば次のようながことが可能になるとする。

個人のメリット

・海外で医療処置を受ける際に、日本での受診履歴を海外の病院(医師)が本人の同意のもと参照できる
・海外での処置内容を連携することで、日本に帰国後も適切かつ切れ目のない医療処置を受けられる

データ活用事業者やデータ提供事業者のメリット

・海外の情報銀行に登録するもしくは登録されている個人情報の提供・取得が容易になる
・GDPR(一般データ保護規則)や情報銀行認定基準、改正民法などの各種ガイドラインが変更になった際に、改定に合わせた提供・取得方法変更などの個別対応が不要になる

 データ流通に関しては、GDPRが2018年に発効したことで、意識が高まっている。日本では2020年3月10日に個人情報保護法が閣議決定され、法の域外適用や越境移転のあり方が盛り込まれるなど、国境をまたぐ個人情報の流通を支える仕組みが重要になってくる。

 NTTデータは今後、策定した仕様に沿った情報銀行のための基盤の商用サービスを、2020年10月をめどに開始したい考えだ。