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脳波による感性評価を遠隔地から実験できるサービス、電通サイエンスジャムが開始

DIGITAL X 編集部
2020年4月30日

脳波の計測による感性評価実験を遠隔地から実施できるサービスを電通サイエンスジャム(DSJ)が2020年4月28日に開始した。被験者宅に脳波計測器を置くサービスに、オンラインでのインタビュー機能を組み合わせることで、実験者や被験者、担当者などが一カ所に集まることなく遠隔地から実験ができるようにした。同日に発表した。

 電通サイエンスジャム(DSJ)の「Brain Behavior Insight(BBI)」は、製品/サービスなどの利用者の“感性”を計測するためのサービス。脳波計測器を使って製品/サービスなどを利用している間の脳波を測定し、製品/サービスに対する利用者の“感性”をデータ化・可視化する。首都圏では同意を得た128世帯に脳波計測器を設置してもいる(写真1)。

写真1:被験者に装着する脳波計測器

 ただこれまでは、会場型調査などでは、対象者のリクルーティングから会場への集合、脳波計測器の装着、実験の実施など対面での作業が発生していた。今回、これら作業をオンライン会議などに切り替えることで省略し、実験者・被験者とも遠隔から実験ができるように体制を整えた(図1)。

図1:オンラインで機器操作や実験指示を出す

 在宅測定にしたことで、会場での計測が難しい日常に近い反応を測定できる。移動が不要なため、午前中や夕方、食後といった時間帯も指定できる。新型コロナウイルス対策で在宅を余儀なくされている生活者のストレス度合いや、「巣ごもり消費アイテム」への興味・関心度合いなども把握できるとする。

 脳波測定後は最短10分で感性データを出力できるため、実験結果を確認しながらオンラインでのインタビューもできる。会場費や交通費、リクルーティング費が不要なため、これまでの脳波計測実験よりも安価にもなるという。

 BBIは、脳波に基づく感性把握技術を利用することで、アンケートだけでは読み取れない感情の変化が把握でき、より深いインサイト調査が可能になるとしている。冷凍食品などの調理過程でのストレスの把握や、リラックスできる香りの開発、動画コンテンツやゲームなどへの反応などを把握するといった用途が想定されている。