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スマートシティを対象にした情報セキュリティ環境、NTTが米Taniumと提携し2020年度下期に提供へ

DIGITAL X 編集部
2020年4月30日

スマートシティの情報セキュリティを総合的に確保するための仕組みをNTTが2020年度下期に投入する。IT(Information Technology:情報技術)からIoT(Internet of Things:モノのインターネット)/OT(Operational Technologies:制御・運用技術)までを視野に入れる。そのためにIT分野のセキュリティ会社である米Taniumと戦略的提携で合意した。2020年4月27日に発表した。

 NTTが2020年度下期の提供を目指すのは、スマートシティを構成する種々のシステムを対象にした情報セキュリティ環境である(図1)。カメラやセンサーなどのIoT(Internet of Things:モノのインターネット)の仕組みから、スマートビルやスマートエネルギー、スマートヘルスケアといったアプリケーションシステムなどIT(Information Technology:情報技術)/OT(Operational Technologies:制御・運用技術)の仕組みなどが対象になる。

図1:NTTが米Taniumとの提携で投入するスマートシティ向けセキュリティサービス

 これらのシステム/サービスは、業種・業務別に構築・運用がなされているが、NTTは今後、新たな付加価値を提供するために相互接続が進むとみる。そうしたシステム環境をNTTは「スマートワールド」と呼ぶ。一方でスマートワールドは、セキュリティ上のリスクが高まり、サイバー攻撃により誤動作を起こしたりすれば社会活動に大きな影響を与えることになる。

 新たな情報セキュリティ環境を提供するため、セキュリティ企業の米Taniumと戦略的提携で合意した。自身が持つグローバル規模で収集している脅威情報やセキュリティ分析力と、Taniumが持つ数百万台クラスのIT資産の安全な管理・運用のための技術を組み合わせる。サービス領域は大きく2つある。

 1つがスマートシティ分野でのセキュリティ。NTTのIoT/OT環境でのセキュリティ異常検知技術を搭載したゲートウェイと、Taniumの端末管理技術を組み合わせることで、管理対象であるデバイスの状態把握や不正アクセスによる異常検知や遮断などを実現する。

 もつ1つは企業情報システムを対象にしたマネージドセキュリティサービスだ。新たな脅威が企業の情報システム環境に与える影響を瞬時に把握し対応できるようにする。

 NTTは米ラスベガスでスマートシティの実証実験に取り組むほか、2020年3月24日にはトヨタ自動車とスマートシティ分野で資本提携も結んでいる。スマートシティ分野へのサービス強化に向けた動きが活発になりそうだ。