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児童虐待への早期対応を支援するAIシステム、FRONTEOが提供
2020年6月16日
児童虐待の兆候を早期に検知するためにAI(人工知能)を活用するシステムを、大量文書のAI(人工知能)分析などを手がけるFRONTEOが提供を開始した。児童虐待の相談・面談記録を解析し、虐待の可能性が高い記録から順に確認できるようにする。2020年6月12日に発表した。
各種文献など大量文書のAI(人工知能)分析などに強みを持つFRONTEOが、児童虐待への早期対応を支援するAIシステムの提供を開始した。児童虐待に関する多数の相談/面談記録を解析し、虐待の可能性が高い記録から順に確認できるようにすることで見逃しを防ぎ、早期対応を支援する(図1)。
まず、FRONTEOが開発する自然言語処理エンジン「KIBIT(キビット)」を使い、実際に児童虐待だと認定されたり重篤化したりした相談/面談記録を教師データに、ベテランの児童福祉司や相談対応者の判断軸を学ぶ。
その上で、自治体や児童相談所で受け付けた虐待に関係する可能性がある相談記録や、家庭訪問での面談記録のテキストを解析。教師データとの類似度が高い記録から順に並べ替えることで、優先度が高いであろう内容から対応できるようにする。
学習により抽出したい判断軸を調整することで、各々の自治体や児童相談所のニーズに合わせて、相談を受け付ける段階に応じた並べ替えができるとしている。
児童虐待の相談対応件数は年々増加している。全国212カ所の児童相談所が児童虐待の相談に対応した件数は、2018年度に15万9850件(速報値)と過去最多を記録した(厚生労働省調べ)。これら多数の相談に、どう対応するかが大きな課題の1つになっている。