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放牧牛をLPWA通信で監視するシステム、位置情報など手掛けるGISupplyが発売

DIGITAL X 編集部
2020年6月19日

放牧牛を監視するためのシステムを、位置情報関連システムなどを手掛けるGISupply(ジーアイサプライ)が2020年6月15日に発売した。放牧地をカバーするためにLPWA(Low Power Wide Area)通信を利用する。同日に発表した。

 位置情報や通信などのシステムを手掛けるGISupplyが発売した「うしみる」は、放牧牛を遠隔地から監視するためのシステム。脱走牛の早期検知や、崖からの落下など予期せぬ事故の防止、あるいは、しばらく動かないなどからは疾病の兆候の早期発見にもつながるとしている(図1)。

図1:「うしみる」は放牧牛の現在位置を確認するためのシステム

 放牧牛には専用デバイス「うしみる首輪」を装着する。デバイスからのデータは、省電力でカバー範囲が広いLPWA(Low Power Wide Area)通信の一規格である「LoRa」を利用し、クラウドに送信する。管理者はクラウドにアクセスすることで、放牧牛の現在位置が確認でき、離れた場所にいる放牧牛を目視で確認するための時間を削減できる。

 放牧は、牛が牧草を食べ糞尿を草地へかえす「資源循環型」の畜産で、利用する草地は国土の有効活用につながっている。屋内の飼育より牛へのストレスも少ないとされるほか、日々の餌やりや糞尿処理に伴う労働や飼料の購入費の削減が期待できるという。

 一方で、広大なエリアで放牧する牛を人が見回って監視するためには多くの時間がかかることが課題になっている。