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サービスデザインは日本に浸透するか、NTTデータが新ブランド「Tangity(タンジティ)」で展開へ
NTTデータが新ブランド「Tangity(タンジティ)」を立ち上げた。デザイナー集団を結成し「サービスデザイン」領域におけるビジネスをグローバルに展開する。2020年6月13日に開催したオンライン説明会に登壇した技術革新統括本部長の木谷 強 氏は「世界ではUX(User Experience:ユーザー体験)を意識したサービスデザインを活用する企業が成長している」とする。NTTデータが展開するサービスデザインは日本市場にも浸透するだろうか。
「サービスデザイン」とは本来、提供者と利用者の双方にとって最良なサービスを設計することで、その価値を高めるための考え方や手法を指す。「サービス」「デザイン」のいずれもが定義が広い言葉だけに、サービスデザインいう言葉は一般には、あまり浸透していないと言えるだろう。
政府も2018年1月に発表した「デジタル・ガバメント実行計画」において、行政のサービス改革を推進する道しるべとして「サービスデザイン実践ガイドブック(ベータ版)」を公開しているが、ほぼ知られていないのではないか。
世界10カ国16拠点に合計550人のデザイナーが在籍
そうした中でNTTデータグループとしては、早くからサービスデザイン領域に取り組んできたという。イタリアやドイツを中心に100ケースを越える実績があり、それを支えるデザインスタジオを結ぶネットワーク「NTT DATA Design Network(以下、NDDN)」を展開している。
同ネットワークに参加するデザインスタジオは世界10カ国16拠点にあり、合計で550人のデザイナーが在籍する。NDDNを介して、人材やノウハウの共有、先進事例の活用やプロジェクト連携を進めてきた(図1)。
中でも2013年度からデザイン領域に投資してきたNTTデータイタリアは大幅な増収増益をあげている。たとえばVodafone Italiaのセカンドブランド「ho.」の立ち上げ支援では、検討開始から8カ月でサービスのリリースを実現した。ho.は、ユーザー数150万、売上高は当初予測の10倍を達成し、顧客満足度の指数もイタリアの携帯キャリアにあって最高水準を獲得したという。
日本でも東京・六本木にデザインスタジオ「AQUAIR(アクエア)」を2年前に開設。グループ内外のマーケティングや空間デザインの専門家を集め、ビジネスの企画からプロトタイピングによる実証実験までの支援をシームレスに提供してきた。