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グローバルなIoTを可能にする基盤サービス、日立がサブスク型で提供へ

DIGITAL X 編集部
2020年6月22日

製造業などがIoT(Internet of Things:モノのインターネット)の仕組みをグローバルに展開するための基盤サービスを、日立製作所が2020年7月31日からサブスクリプション型での提供を始める。世界各地からのデータの収集・分析を可能にする。2020年6月18日に発表した。

 日立製作所が2020年7月31日に開始する「Hitachi Global Data Integration」は、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)の仕組みをグローバルに展開するための基盤サービス。データを集めるための通信回線の準備・管理から、データの収集・蓄積、データ活用までのシステム環境を一括して提供する(図1)。

図1:「Hitachi Global Data Integration」は世界各地で稼働する自社製品などの稼働状況の一元管理を可能にする

 次のような利用例を想定する。たとえば、常時稼働を求められる産業機器に対し、部品の振動や回転数などを把握し異常値のトレンドを分析することで、異常の有無など故障リスクを検知し、ダウンタイムを低減できる。輸送機器であれば、世界各地の稼働データをリアルタイムに一括管理すれば、稼働状況に基づく保全計画の検討などが図れるという。

 Hitachi Global Data Integrationは、(1)回線接続サービス、(2)データ収集・蓄積サービス、(3)データ利活用ソリューションからなる(図2)。

図2:「Hitachi Global Data Integration」のサービス構成

 回線接続サービスでは、IoTの実現に必要な通信回線を、国や地域を越えて一元的に制御・管理する。たとえば、製品や設備に装着するSIMカードに対し、無線通信回線の開通/停止や通信状態の管理などができる。国や地域ごとの通信事業者向けAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を用意する。

 データ収集・蓄積サービスでは、増え続けるデータ量に対応するため、拡張性を持つクラウド型でデータを収集・蓄積する。データ量の増減に応じて処理を分散して実行する。データの可視化や分析のための各種アプリケーションのほか、社内システムなどとデータ連携するためのAPIも提供する。

 データ利活用ソリューションでは、位置追跡や稼働監視、アラート管理などの機能を用意する。たとえば、海外に出荷済みの製品や設備の位置を地図上に表示し、機器の稼働状態を地域ごとに一覧表示したり、異常検知時のアラートを表示したりが可能になる。

 オプションで、個別システムのインテグレーションやコンサルティング、データ分析と、分析結果に基づく提案などのサービスも用意する。

 初期費用を抑え、小規模から利用開始できるサブスクリプション型のサービスで提供する。手軽なPoC(Proof of Concept:概念検証)の環境立ち上げや、IoTを活用した事業検討、事業の迅速な立ち上げを支援する。

 Hitachi Global Data Integrationの利用料金は、標準サービスの初期費用が50万円(税別、以下同)、月額料金が39万6000円から、各オプションは個別見積もりである。