- News
- 共通
安心して使えるAIシステムを開発するためのプロセス、NTTデータが体系化
AI(人工知能)を組み込んだシステムを、各種チェック項目を漏れ・抜けなく開発するためのプロセスをNTTデータが体系化した。2020年7月から国内案件で試用する。AI特有の開発工程や、社会的な倫理、セキュリティやプライバシーなどを考慮したシステム開発が可能になるという。2020年6月30日に発表した。
NTTデータが策定した「AI開発プロセス」は、AI(人工知能)を組み込んだシステムの開発に共通的な工程や、必要な役割やタスク、成果物を整理し体系化したもの。標準的な開発手順およびプロジェクト管理手順を定義する(図1)。
AI開発プロセスは、NTTデータのAI&IoT事業部を中心に手掛けた全社で300以上のユースケースを基に策定した。実績に基づく知見を活用することで、AIを組み込むシステムの開発プロジェクトにおける種々の問題の発生を防止することを期待する。同社によれば、AIシステムの開発には、AIに起因する、従来システムの開発とは異なる工程が必要になるからだ。
具体的には、AIモデルの開発や学習用データの整備など、AIの精度を維持・向上させるための工程が存在すること。そこでは、利用するデータのプライバシーなどを考慮する必要もあれば、AIが導き出した結果が社会的な倫理やコンプライアンスに沿っているかどうかの確認も必要になる。
システムとしての性能や拡張性、セキュリティなども確保することで、利用企業がAI活用に伴う種々の不安を解消しながら、AIシステムを開発し提供したい考えだ。
NTTデータは今後、AI関連の知見を集約している「AI CoE(Center of Excellence)」の活動を通じて、AI開発プロセスの展開を図る。まず2020年7月から、国内でNTTデータが手掛けるAI案件のすべてに試行適用を始める。
AI開発プロセスをは、試験適用した結果やプロジェクトの傾向を受けて定期的に見直し、拡充・更新を続けていく。並行して、AI開発プロセスを活用できる開発人材を2022年度末までに3000人規模にまで増強する計画である。