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トヨタ車の走行履歴データを使ったルート解析サービス、GISソフトウェアのESRIジャパンが開始

DIGITAL X 編集部
2020年7月24日

トヨタ車から得られる実際の走行データを使った配送ルートなどの解析サービスを、GIS(地理情報システム)ソフトウェアを手がけるESRIジャパンが2020年7月21日に開始した。災害対策や物流業などでの人手不足対策などに利用できる。同日に発表した。

 GIS(地理情報システム)ソフトウェアを手がけるESRIジャパンはこのほど、トヨタのコネクティッドサービス「T-Connect」および「G-BOOK」「G-Link」を利用しているトヨタ車/レクサス車から得られるカープローブデータの利用契約を結んだ。

 このカープローブデータと道路網データを、ESRIジャパンの地図情報基盤「ArcGIS(アークジーアイエス)」上でマッチングを図り、季節や時間帯、曜日(平日・休日)ごとの交通統計に基づき、交通量や車両通行実績の視覚化や最適なルート解析ができるようにする(図1)。

 たとえば地震・風水害などの災害対策としては、災害発生時に被害状況を早期に把握できるほか、気象情報や自社拠点などの地理空間情報と車両通行実績データを組み合わせることで、自社拠点や配送ルートへの影響の有無を推定したり、従業員への注意喚起などができるようになる。

図1:通行実績情報を基にしたルート解析の例

 少子高齢化に伴い労働人口が減少する一方で物流量が増加し慢性的なドライバー不足に直面する物流業であれば、曜日や時間帯に応じた交通量を加味し、現状の配送ルート計画や各拠点のサービスエリアに対し、実態に近い現状把握と評価が可能になるという(図2)。

図2:曜日別の最適ルートをシミュレーションした例

 将来的にはリアルタイムデータや予測交通量を基にしたルート解析も可能にする予定である。