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XRサービスを企画・開発する「複合現実製作所」、NTTドコモが社内ベンチャーで設立
業務課題の解決に向けたXR(xReality)サービスを企画・開発するための新会社をNTTドコモが2020年8月4日に設立した。社内ベンチャー制度によるもので、業務の高度化・効率化につながるXR技術を使った各種サービスの実用化を目指す。同日に発表した。
NTTドコモが設立した「複合現実製作所」は、XR(xReality)技術を使った各種サービスを企画・開発するための新会社。XR技術とMR(Mixed Reality:複合現実)デバイスなどを使ったサービスの企画・開発や、コンサルティングなどを提供する。社内ベンチャー制度を利用し同社社員のアイデアを事業化した。
さまざまな業界を対象にXR技術の活用を推進し、業務の高度化・効率化を図るのが目標。XR技術を普及・拡大させることで、後継者問題や技術継承問題、人手不足といった社会課題の解決に貢献したい考えだ。
第1弾として、宮村鉄工と共同開発した建築鉄骨業向けの作業支援サービス「L'OCZHIT(ロクジット)」を軸に、立体構造物の製造課程の支援サービスを展開する。実際の鉄骨に、3D(3次元)のCADデータから作成した3D CGを重ね合わせることで、図面の確認作業の短縮や読み取り能力の向上などを図る(図1)。動画や画像、ストリーミング映像の共有機能も追加する予定である。
並行して、(1)XR技術を活用した新たなサービスの企画・開発と、(2)同サービスの導入コンサルティングも展開する。新サービスの企画・開発では、サービスのプロトタイプを運用しながらパートナー企業と共同で検証を進める。5GやNTTドコモのクラウドサービスなども利用して開発する。
導入コンサルティングでは、顧客と共にXR技術を適用する業務や具体的な利用方法を検討し、課題解決の方法を提案する。
ドコモの社内ベンチャー制度は、ドコモおよびドコモグループ会社の社員が提案する事業アイデアに、資金やインキュベーションなどを支援するもので、2001年3月から実施している。2019年1月からは対象の主眼を、従来の「社員の起業家マインドの醸成」から「ドコモグループ事業にとって真にインパクトのある事業」に切り替えている。
これまで約300件の社内応募があり、6件を新会社にして事業化している。複合現実製作所は、2019年の制度改定後では初めての新会社設立になる。