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禁煙治療治療用のスマホアプリが薬事承認を取得、医療ベンチャーのCureAppが開発

DIGITAL X 編集部
2020年8月25日

ニコチン依存症の喫煙者に対する禁煙治療を補助するスマートフォン用アプリケーションが、厚生労働省から製造販売承認(薬事承認)を2020年8月21日に取得した。医療ベンチャーのCureAppが開発したもので、国から承認を受けたニコチン依存症の治療用アプリは世界初という。同日に発表した。

 医療ベンチャーのCureAppが開発した「CureApp SC ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー」(CureApp SC)は、禁煙外来で治療を受ける患者の院外での禁煙を補助するためのスマートフォン用アプリケーション。

 これまで治験に取り組んできたが、安全性と有効性が確認されとして、厚生労働省から製造販売承認(薬事承認)を2020年8月21日付けで取得した。ニコチン依存症への有効性で国から承認を受けた治療用アプリは世界初という。2020年度中の保険適用とサービス提供を目指す。

 ニコチン依存症には身体的依存と心理的依存があるが、CureApp SCは心理的依存の治療を支援する。在宅時や勤務中など、医療者の介入が難しく患者が孤独な闘いを強いられる期間において、スマートフォンを通じて患者をフォローすることで、来院と来院の間の“治療空白”を埋め、禁煙継続率の向上を図る(図1)。

図1:来院と来院の間の“治療空白”を埋めるために、スマートフォンを通じて患者をフォローする

 CureApp SCは、呼気中の一酸化炭素の濃度を計測するポータブルCO(一酸化炭素)チェッカーと、患者用アプリと医師用のアプリの3要素で構成される(図2)。

図2:CureApp SCは、ポータブルCOチェッカー(中央)と、患者用アプリ(左)と医師用アプリ(右)で構成される

 患者は、ポータブルCOチェッカーで、呼気中の一酸化炭素の濃度を計測し、喫煙していないことをデータで示す。患者用アプリは、個々の患者の治療状況や体調などに合わせて個別化したガイダンスを提供する。医師用アプリは、患者が患者用アプリに入力した日記などの内容に基づき、前回の診察以降の患者の様子を医師へ提供し、禁煙治療の効率化と質の向上を支援する。

 疾患治療のために医師が患者へ処方する治療用アプリは、新しい治療法として国内外で注目されている。