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電子ペーパーを搭載したRFIDタグ、凸版印刷が販売

DIGITAL X 編集部
2020年8月27日

電子ペーパーを搭載したRFIDタグを凸版印刷が2020年8月25日、製造業や流通・小売業向けに販売を開始した。製品のトレーサビリティーのほか、製造現場のペーパーレス化や省人化を支援する。同日に発表した。

 凸版印刷の「Near cross D 2.9」は、電子ペーパーディスプレイ(台湾E Ink製)を搭載するRFIDタグ(写真1)。RFIDによるトレーサビリティーが可能なほか、物流ラベルの貼り替えや指示書の作成などが不要になることから、製品管理業務のペーパーレス化や省人化に利用できる。

写真1:電子ペーパーを搭載したRFIDタグ「Near cross D 2.9」の表面(左上)と裏面(左下)。右はコンテナに貼り付けたイメージ

 電子ペーパーは反射光によって視認される仕組みで、バックライトによる自発光が不要だ。そのため、太陽光の下でも、赤色光やカメラなどで認識されるバーコードや、QRコードなどの認識率を高められるという。

 Near cross D 2.9では、電子ペーパーの表示内容をRFIDとの通信により変更する。表示変更にかかる時間は3秒程度で、10万回以上変更できる。書き換えには、RFIDの通信用電力を使うため、電池交換や充電などのメンテナンスは不要だとしている。多言語表示にも対応する。

 使用しているRFIDは、製造現場で多く使用されている通信規格「ISO/IEC 15693」に準拠したもの。既存のリーダー/ライターでの読み取り・書き替えに対応する。

 凸版印刷が提供するシステムの設計や開発、導入・運用、サポートを提供する「NAVINECT」とも連携できる。人や装置から情報を取得し、その管理情報を現場にあるNear cross D 2.9で可視化すれば、生産性や品質の向上、作業の効率化が図れるとする。

 Near cross D 2.9の販売は、エレクトロニクス商社の丸文が担当する。価格はオープン。凸版印刷は、Near cross D 2.9で2025年までに20億円の売り上げを目指す。