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情報銀行を利用する新規事業の実証環境の提供サービス、DNPが提供
パーソナルデータの流通を担う「情報銀行」を利用した新規事業を実証するための環境を提供するクラウドサービスを大日本印刷(DNP)が開始した。企業に専有のクラウド環境を用意し、セキュリティに配慮した実証が可能になるという。2020年8月27日に発表した。
大日本印刷(DNP)が始めた「情報銀行サンドボックス」は、個人の属性や嗜好といったパーソナルデータを使ったサービス事業の立ち上げを目指す企業が、実証実験に取り組むための環境を提供するクラウドサービス(図1)。総務省と経済産業省の情報銀行(情報信託)の認定スキーム「情報信託機能の認定に係る指針ver2.0」を考慮した機能が実装されている。
情報銀行は、個人の同意に基づきパーソナルデータを預かり、第3者への流通・利用を可能にする仕組み。顧客の1人ひとりに最適化したサービスを提供したい企業や、地域活性化を目指す企業、消費者に寄り添った観光やエンターテインメント関連サービスを提供したい企業などが、その利用に期待している。
情報銀行サンドボックスは、(1)「ヘルスケアver」と(2)「イベントver」の2つの実証環境がある。前者では、運動量が増えつつある生活者へスポーツウェアやジムの提案などが、後者では、音楽好きな個人の興味・関心に基づいたイベントの提案などが可能になる(図2)。
実証用に3種類のアプリケーションを用意する。(1)生活者向け、(2)サービス事業者向け、(3)情報銀行事業者向けだ。
生活者向けは、個人が自身のパーソナルデータを管理するためのスマホアプリ、サービス事業者向けはパーソナルデータの活用を支援するWebアプリ、情報銀行事業者向けは、生活者と事業者間の流通データを管理するためのWebアプリである。
生活者向けアプリでは、パーソナルデータの利活用を推進するために「パーソナルデータの提供に対する同意設定機能」と「パーソナルデータ提供履歴を証跡管理する機能」を実装している。生活者は、業種や属性を指定して企業へのパーソナルデータ提供を同意したり個別に拒否したりできる。
いつ、どの企業にパーソナルデータを提供したのかを消費者自身が確認できるトレーサビリティーも確保する。
情報銀行サンドボックスの利用料金は、実証の内容や規模などに応じた個別見積もりである。約2カ月の環境準備の後に3カ月間利用した場合は330万円(税別)からとしている。