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配送計画を量子コンピューターで最適化するサービス、グルーヴノーツが開始
2020年9月4日
物流業務における配送計画を量子コンピューターを使って最適化するサービスをグルーヴノーツが2020年9月1日から提供している。専用の最適化モデルにより、積載量や配送ルートの最適な組み合わせを算出する。同日に発表した。
グルーヴノーツの「物流最適化ソリューションセット」は、最適な配送計画を策定するためのサービス(図1)。同社が提供する量子コンピューターを搭載したクラウドサービス「MAGELLAN BLOCKS」を使って、従来のコンピューターでは困難だった最適な積載量や配送ルートを計算する。大手小売企業の個人向け宅配の実データを用いた検証では、配送経路を約50%削減できたという。
算出に当たっては、AI(人工知能)による数理モデルをはじめ、大量の組み合わせパターンから最適解を見つけ出すための独自の「組合せ最適化」モデルを利用する。サービス利用者は、配送先や配送車の情報を入力すれば、現場の各種条件に基づき、配送距離や配送時間が最小になるルートを計算できる。配送ルートの最適化によるCO2削減も期待できるとする。
物流業界では、人手不足や環境問題などの課題が顕在化している。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるネット通販の拡大・多頻度小口配送の急増に伴い、課題はより大きくなっている。配送業務の最適化に向けたルート計算は、これまでも取り組まれていたが、「どのトラックで・誰が・どの荷物を・どの時間帯に・どのルートで配送する」といった組み合わせは複雑で、現行のコンピューターでは計算が難しかった。
グルーヴノーツは今後、ネット通販やネットスーパーなどの個人向け宅配事業を含め、輸送・運送事業など物流分野全般に向けてサービスを拡充していく計画だ。