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データ分析の推進に向け企業が重視すべき12の役割、ガートナーが発表

DIGITAL X 編集部
2020年10月1日

企業がデータ分析に取り組むに当たり重視すべき12の役割をガートナー ジャパンが2020年9月24日に発表した。必要な役割やスキル、組織文化などを提示する。データチームや分析チームの成功阻害要因の上位4つは人的要素にあるともしている。

 企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するには、データ利用が重要だが、データ分析に取り組むチームの成功を阻む障壁の上位4つは「組織文化」「リソースと資金の不足」など、人的要素に関係している--。こんな調査結果をガートナー ジャパンが発表した(図1)。

図1:データ/アナリティクス・チームの成功を阻む障壁(出典:ガートナー2019年CDOサーベイ)

 これは、英ガートナーが2019年9月から11月に世界で実施した『第5回最高データ責任者 (CDO) サーベイ』によるもの。同調査結果からガートナーは、データ駆動型の意思決定を強化するために、データ担当リーダーや分析担当のリーダーが検討するべき12の役割を提言している。

 大きく、(1)サポートに関する役割、(2)データに関する役割、(3)アナリティクスに関する役割がある。

サポートに関する役割

(1)CDO:組織を代表して、データの品質、信頼性、アクセスを向上させ、組織のデータ資産と外部のデータ・エコシステムから価値を生み出す責任を担う上級経営幹部。データを活用することで価値をもたらし、アナリティクスと企業情報ポリシーによってあらゆる形態のビジネス成果を実現する

(2)データ/アナリティクス・マネージャー:データとアナリティクスのCoE(センター・オブ・エクセレンス)を管理する責任を担う

(3)情報アーキテクト/データ・アーキテクト:ビジネス情報の影響力を高める役割を担う

(4)アナリスト:領域の専門家として、または領域の専門家と密接に連携して、ビジネスの現状をデータに基づき分析する

(5)プロジェクトマネジャー:ポートフォリオ内のすべてのプロジェクトを成功させる責任を担う

(6)チェンジマネジャー:組織的成果とビジネス成果を確実に達成する戦略を策定し、その戦略において、データとアナリティクスを用いた新しい仕事の進め方を従業員に促す

データに関する役割

(7)データ・エンジニア:さまざまなデータ利用者(データ・サイエンティスト、データ/ビジネスアナリスト、市民インテグレーター、ビジネス部門ユーザーなど)が適切なデータにアクセスして利用できるように支援する

(8)リード情報スチュワード:組織全体に散在する情報スチュワード(責任者・責任部門)が、一貫性を保ち、目的を遂行するための活動方法や内容を同僚や情報ガバナンス委員会に報告する際の基準を確立する

(9)MDMマネージャー:組織やビジネスに関して、マスターデータ管理(MDM:Master Data Management)プログラムに影響を及ぼすような方針変更があった場合、中央チームによって、あるいはビジネス部門/機能領域/地域内で、評価および対処されるよう取り組む

アナリティクスに関する役割

(10)アナリティクスとビジネス・インテリジェンス(BI)の開発者:レポートやダッシュボード、インタラクティブ・ビジュアライゼーションを開発し、データウェアハウスやデータ統合、データモデリングを利用してビジネス上の意思決定をサポートする

(11)データ・サイエンティスト:定量分析(統計学、アルゴリズム、マイニング)や可視化の手法を用いて、複雑なビジネス問題をモデリングし、ビジネスに関する洞察を見いだす責任を担う

(12)AI(人工知能)/ML(機械学習)開発者:MLや、自然言語処理、画像認識、最適化といった各種のAI機能を用いて、アプリケーションを全般的に改良する責任を担う