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MaaSを開発するための各種APIのマーケットプレイス、MONET Technologiesが開設

DIGITAL X 編集部
2020年9月30日

MaaS(Mobility as a Service)のシステム開発に利用できる各種API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を提供するマーケットプレイスを、モビリティサービスのMONET Technologiesが2020年9月28日に開設した。企業や自治体のMaaS実現を支援する。同日に発表した。

 MONET Technologiesが開設した「MONETマーケットプレイス」は、MaaS(Mobility as a Service)のシステム開発に利用できる各種API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を提供するマーケットプレイス(図1)。企業や自治体が、APIを通じて提供されるデータやシステムを利用した独自のサービスを開発できるようにする。APIを提供する企業も募集する。

図1:「MONETマーケットプレイス」のイメージ

 MONETはこれまで、車両データや移動データなどを集約するデータ基盤である「MONETプラットフォーム」を提供してきた。MONETマーケットプレイスは、企業や自治体のMaaSの実現を包括的に支援するために、MONETプラットフォームの一部として提供する。

 9月28日時点で利用できるAPIは6つある。MONETが提供するAPIは(1)クレジットカードとPayPayでオンライン決済できる「決済API」と(2)予約情報や決済情報をもとに乗車券や入場券として使えるQRコードを発行する「チケット」の2つだ。

 ほかに、(3)ウェザーニューズの気象情報を利用する「天気予報API」、(4)JTBパブリッシングのエリア情報を提供する「るるぶDATA API」、(5)ゼンリンデータコムの地図・位置情報を利用する「いつもNAVI API」、(6)過去データから最適な配送ルートを計算するオプティマインドの「Loogia」がある。

 天気予報のAPIでは、全国の天気予報を1キロメッシュの解像度で1時間ごとに取得できるほか、指定した場所の最寄りの観測地点における過去の観測データを2008年までさかのぼって取得できる。

 観光・旅行情報のAPIでは、旅行情報誌「るるぶ情報版」などが掲載する全国の観光スポットやイベント、温泉地の情報や、観光視点で区切った全国のエリア区分の情報を取得できる。

 地図情報のAPIでは、種々の地図・位置情報サービスをWebサイトやスマートフォン用アプリケーションなどに実装するための開発ツールのセット「いつもNAVI API」を提供する。

 配送/輸送事業者向けのAPIでは、過去の走行データを活用して、ラストワンマイル(末端拠点から荷受人への最終的な配送)における最適な配送ルートを計算できる。

 今後さらに、本人確認向けAPI(サイバートラスト製)とオンデマンドバスを運行管理するためのAPI(MONET製)を追加する。

 本人確認向けAPIは、マイナンバーカードと公的個人認証サービスを活用して、犯罪収益移転防止法に対応したオンラインでの本人確認や現況確認を可能にする。オンデマンドバス向けAPIでは、運行に必要な予約や運行管理などのAPIをまとめて提供する予定である。