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高齢者をウェアラブルデバイスで見守るサービスのためのOEM基盤、フィンランドNavigilの日本法人が提供

DIGITAL X 編集部
2020年10月6日

高齢者の脈拍などをウェアラブルデバイスで収集し健康状態を表示するサービスを構築するための基盤を、腕時計型ウェアラブルデバイスメーカーであるフィンランドのNavigilの日本法人が2020年7月から提供している。同社デバイスを使った独自サービスを自社ブランドで提供できる。2020年9月30日に発表した。

 フィンランドのNavigilが提供する「Navigilスウィート」は、腕時計型ウェアラブルデバイスを使って高齢者の生体情報を計測・分析して高齢者の健康状態を管理し見守るためのサービス。介護などのサービス提供者が自社ブランドで展開できるよう基盤とスマートフォンアプリケーションなどをOEM(相手先ブランドによる生産)で提供する。デバイス装着者の居場所と健康状態を共有することで、介護費用の削減が見込めるという。

 Navigilスウィートは、同社の時計型ウェルネスデバイス「Navigil 580」と、生体情報の分析サービス「Navigilサービス」から成っている(写真1)。

写真1:高齢者の活動や健康状態のデータをセンサーで収集する「Navigil 580」(左)と、健康状態を分析・表示するNavigilサービスのダッシュボード画面の例

 Navigil 580が脈拍や呼吸数など、装着者の活動や健康状態のデータを収集する。ボタン1つで緊急電話ができる機能や、装着者が家または設定した「セーフゾーン」を出ると自動でアラートを送信する機能も備える。装着者の追跡には、屋内ではビーコンを、屋外ではGPS(全地球測位システム)を用いる。データ通信のためのSIMカードを内蔵できる。

 Navigilサービスは、Navigil 580から得たデータをAI(人工知能)で分析する。結果をオンラインのダッシュボード上に集約し、装着者の毎日の活動目標に対する到達度などを表示できる。長期的な傾向の悪化や突然の悪化を検知したときには、あらかじめ設定した介護者に通知する。装着者の変調を知らせるための複数のパラメーターを設定できるため、状況悪化の前に予防手段を取れるという。社会的コストやヘルスケアのコストの低減を支援できるとしている。

 アラートの通知は、音声通話やメール、SMS(ショートメッセージサービス)、スマホアプリへのプッシュ通知などで発信する。外部のサービスなどと連携するためのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)も用意する。

 なおNavigil日本支社は2020年7月に設立された。日本で今後拡大すると見られる遠隔ケア需要に対応するのが目的だ。Navigilスウィートは欧州では先行してサービスを展開している。