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介護施設入居者の動きをAIカメラで検知し介護業務を軽減するサービス、オリエントテクノロジーが発売

DIGITAL X 編集部
2020年10月23日

介護施設の入居者の転倒や身体異常、夜間徘徊などをAI(人工知能)カメラなどで検知することで、介護業務の軽減を図るサービスを、介護業界向けシステムを手掛けるオリエントテクノロジーが2020年10月に発売した。転倒などの事故を介護職員に通知することで業務の遂行を支援する。2020年10月14日に発表した。

 介護業界向けシステムを手掛けるオリエントテクノロジーが発売した「VIVA3Q」は、介護施設職員の夜間巡回や介護記録、在室状況の確認といった業務の軽減を図るためのサービス(図1)。AI(人工知能)カメラを含む4種のセンサーによって入居者の動きを検知し異常を通知することで、入居者の安全性を高めかつ、職員の不要な巡回を減らせるとしている。

図1:転倒などの危険を検知し、職員の対応などを自動で記録できる(同社製品資料より)

 VIVA3Qでは、各種センサーを使って、入居者の転倒や転落、離床、呼吸や心拍の異常、居室内徘徊、居室不在、居室の温度異常などを検出し職員に通知する。異常や事故が発生すればすぐ、職員が訪室できるようにする。転倒時の様子は自動録画するため、職員が居室を訪れる前に状況を確認することもできる。

 入居者の動きを検知するために4つのセンサーを持つ。(1)画像認識により人の転倒や転落を検知するカメラセンサー、(2)心拍や呼吸の測定と離床判定ができる生体センサー、(3)トイレでの長時間滞在を検知するトイレセンサー、(4)室温などの異常を監視する温湿度センサーである。

 転倒検知では、AIが学習することで、物陰での転倒や、ずり落ち、車椅子の転倒など、身体の一部が隠れた状態でも検知する。施設職員の経験から導き出した38パターンの転倒シナリオをカバーしているという。居室環境の違いや、空室時の誤検知もAIが学習し、検知の精度を高める。

 トイレでの長時間滞在を検知できるセンサーは、入居者がトイレで倒れるのを発見できるよう支援する。温湿度センサーは、温度が設定範囲を超えた場合に介護スタッフへ通知する。

 これら、すべてのセンサーからの信号を複合判定することで、夜間徘徊の検出・監視を実現している。API(Application Programming Interface)を経由し、電子介護記録システムとの連携もできる。

 VIVA3Qの利用料は、1室につき約10万~14万円(サポート料とクラウド使用料を含む)。1フロア単位で導入できる。2020年10月30日までは、初期導入費用を同社が負担するモニターキャンペーンを実施している。