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複数の機械設備の振動を常時計測するレーザー振動計、OKIが開発

DIGITAL X 編集部
2020年10月28日

複数の機械設備の振動を常時計測するレーザー振動計測サービスを、OKI(沖電気工業)が開発した。1台のレーザー振動計で広範囲を計測できるため、コストを抑えながら故障の予兆を網羅的かつ早期に検知できるとしている。2020年10月20日に発表した。

 OKI(沖電気工業)が開発したのは、レーザー振動計を使って機械設備の振動を計測するサービス(図1)。機械設備の老朽化と、メンテナンスの労働力不足の解消を目的に開発した。

図1:1台のレーザー振動計で複数の機械設備の振動を計測する

 新たに開発したレーザー振動計は、振動計本体と多数の小型レーザー照射部の間を光ファイバーで接続して使う。レーザー照射部の構成要素はカメラだけのため、センサーヘッドを小型化できる。電源配線が不要で導入も容易だ。100カ所程度の同時計測を想定している。

 1台のレーザー振動計で複数の設備を計測できることから、コストを抑えつつ、施設全体の設備状況を可視化できるという。光信号のデジタル処理によって精度と感度を高めており、光の反射率が低い表面にも使用できるとする。

 非接触式の測定器のため、接触式センサーを取り付けられないモーターなどの可動部や、表面温度が非常に高温あるいは低温になる部分の振動も直接測定できる。高周波数から低周波数まで広帯域の振動を捉えられるため、設備本体のがたつきから部品の小さな損傷で生じる異常振動まで、各種要因から生じる振動を測定できる。

 OKIによれば、同社の実験環境においては、本体と小型レーザー照射部の間を600メートルの光ファイバーで接続した状態で、振動を計測できた。振動計本体と制御モニターをネットワーク接続する遠隔監視にも対応する。

 レーザー振動計の商品化に向けてOKIは、共創パートナーを募集している。第1号パートナーとして、上下水道施設などの管理を手がける水ingとPoC(Proof of Concept:概念検証)を実施する。将来的には、施設の完全無人化に対応した遠隔監視を視野に開発を進めるという。