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ブロックチェーン技術を使った仕組みの開発支援サービス、日立が開始

DIGITAL X 編集部
2020年11月5日

信頼性の高いデータ交換・共有を可能にするブロックチェーン(分散型台帳)技術を使った業務アプリケーションの開発支援サービスを、日立製作所が2020年10月30日に開始した。電子署名や受発注トレーサビリティーなどの仕組みを構築できる。同日に発表した。

 日立製作所の「ブロックチェーンシステム開発支援サービス」は、ブロックチェーン(分散型台帳)技術を使った業務アプリケーションを開発・導入するためのサービス(図1)。企業間のデータ交換・共有において、秘匿性や真正性を確保し、改ざんやなりすましを防ぐことで信頼性を担保できるようにする。

図1:日立製作所の「ブロックチェーンシステム開発支援サービス」では、ユースケースごとの開発部品群を用意する

 ブロックチェーンシステム開発支援サービスは、(1)コンサルティング、(2)ブロックチェーンシステム構築、(3)開発環境提供の3つのサービスからなる。システム基盤を提供し、アプリケーションの設計から構築、運用までをカバーする。

 開発期間を短縮するために、ブロックチェーンのユースケースを「証跡共有型」「価値流通型」「自動執行型」の3つに分類し、それぞれに対応する開発部品群を用意する。

 証跡共有型は、企業間取引において「誰がいつどのような行為をしたのか」を電子的に記録・保証するもの。紙への押印を不要にする電子署名用の業務テンプレートを用意する。署名欄の設定やワークフローを画面操作で定義できる(図2)。

図2:電子署名用の業務テンプレートで構築できる仕組みの例(同社製品資料より)

 価値流通型は、デジタル通貨やデジタル債権などの所有権・利用権の取引を管理するもの。トークン(ブロックチェーン上の代用貨幣)の機能を効率的に開発・運用するフレームワークを2020年度中に提供する予定である。

 自動執行型は、ブロックチェーン上にあらかじめ設定したルールに従って取引を自動実行する「スマートコントラクト」の仕組みを提供する。利用企業に固有の取引実行条件などに応じて開発を支援する。

 日立は今後、トレーサビリティー管理向けの業務テンプレートを2021年3月までに提供する予定だ。専門性が求められるブロックチェーンへのアクセス処理をGUI(Graphical User Interface)で容易に定義できる開発フレームワークも提供する計画である。

 ブロックチェーンシステム開発支援サービスの料金は個別見積もりである。