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IoT/OTデバイスに対するサーバー攻撃被害を国内企業の約5割が経験、パロアルトネットワークス調査

DIGITAL X 編集部
2020年11月10日

IoT(Internet of Things:モノのインターネット)およびOT(産業制御システム)デバイスに対するサイバー攻撃を国内企業の約5割が経験している――。こんな調査結果を、サイバーセキュリティの米パロアルトネットワークスが2020年11月4日に発表した。

 パロアルトネットワークスが発表した『IoT/OTサイバーセキュリティジャパンサーベイ 2020年版』は、国内企業のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)/OT(産業制御システム)デバイスのサイバーセキュリティ対策を調査したもの(図1)。従業員数500人以上、年間売上高500億円以上の民間企業におけるIoT/OT領域の意思決定者および実務従事者の428人を対象にしている。

図1:「IoT/OTサイバーセキュリティジャパンサーベイ 2020年版」の概要

 同調査によれば、国内企業の61.0%が、「すでにIoTデバイスを社内で活用している」と回答した。81.8%は今後、社内のIoTデバイスの数が増加するとし、78.0%が自社のIoT分野への投資が増加すると予測している。

 IoT/OTデバイスの重要性が高まるなか、国内企業の48.1%が、企業内で利用するIoT/OTデバイスに対するサイバー攻撃の被害を経験していた。主な被害内容は、「マルウェア感染」(27.0%)、「不正操作・誤操作」(23.3%)、「システム停止」(21.1%)、「ランサムウェア被害」(20.0%)などである(図2)。

図2:IoT/OTデバイスに対するサイバー攻撃被害発生状況(n=270)

 特に製造業では、製造・生産活動や事業計画に深刻な影響を与える「システム停止」(23.3%)が最も多いなど、ビジネスの継続に関わる攻撃被害が目立っている。

 被害を受けたデバイスの種類を見ると、製造業では「産業機器」(32.7%)、非製造業では「映像・監視・認証機器」(32.0%)の被害が最多だった。

 一方で、社内にあるIoT/OTデバイスを完全に可視化できているのは、全体の27.0%にとどまった(図3)。ネットワークに接続されているにもかかわらず、把握できていないIoT/OTデバイスは、企業の重要な情報やシステムに対する侵入口にもなり得る。

図3:IoT/OTデバイスに関する可視化状況

 サイバー攻撃被害が現実化している中で、78.5%が「IoT/OTデバイスのセキュリティ対策に課題を抱えている」と回答した(図4)。具体的には、「デバイスの数や種類が多い」(35.2%)、「ITネットワークとつながっている」(30.0%)、「デバイス自体にセキュリティ対策を導入できない」(19.3%)などである。

図4:IoT/OTデバイスに関するセキュリティ対策上の課題

 パロアルトネットワークスは、「デバイス自体にセキュリティ対策を組み込めないIoT/OTデバイスの特性から、ネットワーク全体での可視性の向上とネットワークレイヤーでの防御が、IoTセキュリティの具体策として、重要かつ現実的なアプローチになる」と述べている。