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取引データに基づく与信審査の精度を高めるAI審査モデル、Dayta Consultingが開発

DIGITAL X 編集部
2020年11月16日

金融機関が日々の取引データを基に借入条件を決定する「トランザクションレンディング」に向けたAI(人工知能)与信審査のモデルを、AI審査サービスを手がけるDayta Consultingが開発した。複数の銀行が持つ取引データを用いることで、審査精度を高めたという。同社の出資元である住信SBIネット銀行と日立製作所が2020年11月6日に発表した。

 AI(人工知能)を使った審査サービスを手がけるDayta Consultingが開発したのは、金融機関が日々の取引データを基に融資の借入条件を決定する「トランザクションレンディング」のための審査モデル。トランザクションレンディングの実現に向け、より高い精度のAIモデルを開発した。

図1:トランザクションレンディングを対象にしたAI審査サービスの概要

 新しいAI審査モデルの特徴は、複数の銀行の取引データを用いるコンソーシアム(集団参加)型であること。より大量かつ多様なデータをAIの学習に反映できるため、債務不履行になるデータの特徴を高い精度で捉え、PD(Probability of Default:債務不履行の確率)を推計できるとしている。

 今回のAI審査モデルの構築では、東邦銀行や愛媛銀行などの地域金融機関とともに、PoC(概念検証)を2020年3月から実施してきた。今後、参加する銀行を増やしながら、サービスの本格的な開始を目指して検証を進めるとしている。

 AI審査サービスでは、従来の与信審査と比較して、融資に伴うリスクを精緻に把握できるほか、融資判断の迅速化と信用コストのコントロールが可能になり、多くの融資引き受けに寄与するとしている(図2)。AIが審査することから、審査から融資実行までをインターネット上で完結させる法人向けオンライン融資などにも利用できる。

図2:従来の与信審査と、AI審査サービスの比較

 Dayta Consultingは、AI審査サービスの事業化を目的に、住信SBIネット銀行と日立製作所が共同出資して2019年5月30日に設立した。AI審査モデルの開発では、日立のAI「Hitachi AI Technology/Prediction of Rare Case」と、住信SBIネット銀行のデータハンドリング技術やノウハウを利用している。