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公共トイレ空間を設計するためのBIMデータ、LIXILとコマニーが統一規格で提供開始

DIGITAL X 編集部
2020年11月25日

公共トイレ空間を設計するためのBIM(Building Information Modeling)データを、住宅設備機器メーカーのLIXILと、パーティションメーカーのコマニーが共同開発し、2020年11月2日から両社のWebサイトで提供している。バリアフリー法などの法規制に準じたトイレ空間の設計に利用できる。2020年11月17日に発表した。

 LIXILとコマニーが共同開発したのは、公共トイレ空間のBIM(Building Information Modeling)モデル(図1)。便器や周辺アクセサリーと、トイレブースが一体になっている。建物設計者が各社のBIMデータの違いを統一する手間を省くことで、効率的な設計を支援する。

図1:「簡易車いす対応トイレ_R」(左)と「一般トイレ_R」のBIMモデルのイメージ

 BIMモデルは、福祉のまちづくり条例やバリアフリー法の高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準などに対応しており、それらの基準を満たすトイレ空間が設計できるという。

 BIMモデルとして提供するのは、(1)一般トイレ、(2)乳幼児連れ対応トイレ、(3)簡易型車いす対応トイレ、(4)オストメイト対応トイレ、(5)多機能トイレの5つ。それぞれの左右を逆にした「L版」と「R版」があり、計10種類のBIMデータを、両社のWebサイトで公開している。

 BIMデータを使うことで、動作空間の確保や検証、器具どうしの干渉確認のためのトイレ器具の表示の切り替えやトイレブースの寸法調整ができる(図2)。

図2:手すりや背もたれの表示切り替え(左)、トイレブースの寸法調整(右)

 表示を切り替えられるのは、手すりや背もたれの有無、パーティションの色、ブース扉の開閉など。洗浄スイッチや紙巻器などのアクセサリー類の位置調整も可能だ。アクセサリー類の配置の初期値は、JIS S 0026「高齢者・障害者配慮設計指針」に準じている。