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ドライブレコーダーの記録から道路の劣化状態をAIで診断するサービス、NECが開始
ドライブレコーダーが記録した映像や加速度情報をAI(人工知能)を使って分析することで道路の劣化状態を診断するサービスを、NECが2020年11月12日に開始した。パトロール用車両などにドライブレコーダーを取り付けて走行すれば、路面のひび割れ状況や平坦性などを広範囲かつ効率的に調査できるという。同日に発表した。
NECの「くるみえ for Cities」は、道路の劣化状態を診断するクラウドサービス(図1)。ドライブレコーダーが記録した映像や加速度情報をAI(人工知能)で分析し診断する。国内の道路の大半を占める県道や市町村道は、熟練職員が目視点検しているケースが多いだけに、AIを使った分析により路面調査・診断の効率化を図れるとする。
サービス開始に先立ちNECは、和歌山県の南紀白浜エアポートにおいて2020年3月から、空港滑走路の路面調査および点検の効率化に関する実証実験に取り組んでいる。一般道路よりも、より精密な診断が必要な滑走路を対象にすることで、AIの性能改善を進めてきた。
くるみえ for Citiesでは、パトロール用車両などにNECが用意するドライブレコーダーを取り付けて走行すればよい。専用車両や高価なカメラ機器などを使わずに、路面のひび割れ状況や平坦性などを広範囲かつ効率的に調査できる。
ドライブレコーダーが記録した路面映像と加速度センサーの情報は、NECのデータセンターにモバイル通信でリアルタイムに送信し、AIで分析する。異常や劣化の可能性がある箇所は、地図上に表示される。診断情報や映像を基に、現場を確認したり、修繕計画を立案したりが可能になる。予防保全を含む道路メンテナンスも期待できるという。
くるみえ for Citiesの料金は月額50万円(税別)からで、道路劣化診断サービスと、データを取得するためのドライブレコーダー本体、モバイル通信費用を含む。契約は1年単位になる。