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複数ビルを遠隔監視・運用するためのIoT基盤、日立が発売へ

DIGITAL X 編集部
2020年12月2日

ビルを対象にしたIoT(Internet of Things:モノのインターネット)基盤を、日立製作所が2020年中に国内で発売する。複数ビルを対象にした遠隔監視や、ビル内の人流データなどを基に混雑緩和や適切な温度設定などが可能になるという。2020年11月12日に発表した。

 日立製作所が発売する「BuilMirai(ビルミライ)」は、主に大規模ビルの開発事業者に向けたIoT(Internet of Things:モノのインターネット)基盤(図1)。(1)ビル管理の効率化、(2)ビル利用者の快適性の向上、(3)ビルの運営品質の維持・向上、(4)サービスの拡充を可能にする。

図1:ビル管理のためのIoT基盤「BuilMirai」の概要

 ビル管理では、複数のビルに設置されているエレベーターや空調設備などの稼働状況を遠隔から横断的に監視し、ビルの利用状況を可視化できる(図2)。

図2:複数のビルを監視するモニター画面の例。機器の異常アラートの発生状況や電力使用状況などを表示できる

 ビル内の種々のデータを基に、ビル間やフロア間を比較しながら、利用状況を加味した効率的な清掃・警備作業や、ビル設備の状態を踏まえた保守計画の策定が可能になるとする(図3)。

図3:フロア内の設備などの状況を、対象のフロアや設備を切り替えて確認できる「リアルタイムモニター」の画面の例

 利用者の快適性の向上では、ビル内のエリアごとの混雑度といった人流データを基に、エレベーターや空調設備などの制御システムと連携し、混雑を緩和したり、混雑状況に応じて温度を設定したりができるようになる。

 トイレや会議スペースなどの利用状況や混雑情報から、効率的な設備の利用や、ソーシャルディスタンスの確保などへの対応を支援する。

 ビルの運営品質の維持・向上では、複数のビルごとのアラート発生状況やエネルギー使用量などを比較し、運営課題を抽出して改善策を検討できるようにする。

 サービス拡充に向けては、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を公開することで、パートナー企業によるシステム開発をうながす。

 BuilMiraiは、クラウド基盤「Microsoft Azure」や「Microsoft Dynamics 365」(米マイクロソフト製)を使って開発されている。