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電力の需給計画策定に向けた気象データセット、ウェザーニューズが発売

DIGITAL X 編集部
2020年12月8日

電力の需給計画を策定するための気象データセットを、ウェザーニューズが2020年12月3日に発売した。機械学習を使った日射量予測モデルにより、電力および発電量予測の基になる気象データを提供する。同日に発表した。

 ウェザーニューズの「WxTech for Energy」は、電力需給計画の策定を支援するための気象データセット(図1)。電力および発電量予測の基になる種々の気象データを提供する。AI(人工知能)技術を使った新たな日射量予測モデルを開発することで予測の精度を高めたという。

図1:翌日予測の1時間平均日射量(W/m2)の月別誤差(2020年、東京)におけるウェザーニューズの予測モデルと、MSN(気象庁)の予報との比較

 新たな予測モデルでは、日射量、気温、風速について、年間を通して気象庁の予報精度を上回ったとしている。同社の従来サービスと比較しても、日射量は約15%、気温は約10%、風速は約30%の精度が改善した。天気については、予報精度90%を超えるという。

 WxTech for Energyが提供するデータは、気温、気温EPI(Error Potential Index)、全天日射量、全天日射量EPI、直達日射量、散乱日射量、風向、風速、降水量、天気など。電力事業者は、API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を通じてデータを取得でき、既存システムとの連携も図れる。

 気象データは、当日の運用、スポット、週間や月次など、各電力取引に必要なタイミングに合わせてパッケージ化されている。例えば、当日の運用向けには6時間先までのリアルタイム予測を30分ごとに生成し、スポット計画向けには数時間毎に72時間先までの短期予測を提供する。

 2021年4月に電力の需給調整市場が開設される。2022年にはインバランス料金制度に見直されることで、計画と実績に差が生じた場合のペナルティが厳格になる。電力市場では電力需要予測や太陽光などの発電量予測の精度向上や、より詳細なデータへのニーズが高まっている。

 WxTech for Energyは、2カ月間は無償トライアル期間として無料で提供する。