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DXを長期的な企業戦略と連携させる企業が51.5%、IDC Japanの動向調査

DIGITAL X 編集部
2020年12月14日

「ビジネス戦略とデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略の長期的・全体的な連携を強め、業務のあらゆる面においてデジタル技術を活用し変革する——。日本企業の半数は、こう考えているという調査結果をIDC Japanが2020年12月7日に発表した。

 IDC Japanの調査は、デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組んでいる国内企業でDXに実際に関わっているマネジャー以上の200人を対象に、2020年10月に実施された。2019年に続く調査で、国内企業におけるDXとビジネスとの連携、推進上の課題、DX実現のIT基盤などを聞いている。

 調査結果によれば、「DXを企業戦略と全体的、長期的に連携させている企業(戦略一致企業)」が前年と比較して8.1ポイント増の51.5%だった。

 DX戦略と企業戦略において戦略一致企業と、「DXを企業戦略と部分的、短期的に連携させている」戦略分離企業とでは、戦略一致企業のほうが、「ビジネスの継続性」「人材の卓越性」「業務の卓越性」顧客体験」など、あらゆる項目で回答率が高かった。戦略一致企業ほど、全業務に対しデジタル技術を活用し、変革しようという意識が強いとみられる。

 DXをビジネス変革だととらえ、ビジネス戦略とDX戦略の一体化を図る企業が増えているが、その一方で、中長期的なDXロードマップの不在や、既存の基幹システムとDXシステムの連携不足は、真の変革を実現する際の阻害要因になる可能性もある。

 IDC Japan ITサービス リサーチマネージャーの山口 平八郎 氏は「国内企業は、コロナ後の社会変化を見据え、今一度、自社が目指すべきDXの方向性と、それを実現するための社内組織体制、インフラ、人材、業務プロセスの見直しを図るべきだ」と分析している。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がDXに与えた影響については、DX推進の大きな阻害要因にはなっておらず、限定的なようだ。回答企業の7割近くが、「DXの領域、予算、体制が拡大した」「優先順位の変化や取捨選択はあるが継続する」「COVID-19以前」と変わらず推進する」としている(図1)。

図1:COVID-19の感染拡大によるDX推進への影響(出所:IDC Japan)

 COVID-19が在宅勤務など働き方の見直しを迫ったことに対しても、DX推進企業では、働き方の見直しだけでなく、社内業務プロセスの見直しや、データ/情報の活用を考える企業が多かった。COVID-19は、DXを通じて新たな企業の形を作り出すことにつながっているようだ。