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トラックなど運転手の生体・運転データをAIで分析するSaaS、日立が提供へ

DIGITAL X 編集部
2020年12月15日

物流業などにおける輸送車の運転手の生体データや運転データをAI(人工知能)で分析するSaaS(Software as a Service)を、日立製作所が2021年4月以降に提供する。輸送車の安全運行や運転手の労働環境の整備に向けた各種管理を支援する。2020年12月3日に発表した。

 日立製作所の「SSCV-Safety on Hitachi Digital Solution for Logistics」は、物流業や製造業、卸売業、小売業、バス、タクシーなど、種々の業界における輸送業務を支援するSaaS(Software as a Service)(図1)。運転手の体温や血中酸素濃度、血圧、自律神経などの生体情報と、運行中の前方車間距離やブレーキ、加速度、運転時間などの運転データなどをクラウドに蓄積し、AI(人工知能)で分析し可視化する。2021年4月以降に提供を開始する。

図1:「SSCV-Safety on Hitachi Digital Solution for Logistics」のサービス概要

 SSCV-Safety on Hitachi Digital Solution for Logisticsが提供するサービスは大きく(1)出発前、(2)運行中、(3)帰着後の3つからなる。

 出発前の点呼時には、運転手の体温や血圧などの生体情報の測定結果と個人の傾向値を基に、当日の体調や疲労の傾向を定量的に総合評価し、体調異常を迅速に把握する。

 運行中は、危険運転や危険状態が発生した際に警告音を発報し、危険な状況の事象や位置、動画を管理者へ随時通知する。全車両の位置と運転手の体調(ストレス状態)をリアルタイムに表示する。

 帰着後の点呼時には、管理者が運転手とともに運行ルートと自動検出された事象を、短い動画を使って短時間で振り返ることができる。

 サービス提供に向けては、運転データを収集するドライブレコーダーを新規に開発した。運転手に警告などの情報を発信するための地図データや、デジタルタコグラフ(運転記録計)との連係機能を備える。

 データの収集・分析システムは、日立物流が自社車両に導入してきた「SSCV-Safety」を採用。これを日立が物流向けに提供するIT基盤「Hitachi Digital Solution for Logistics」上に実装した(図2)。日立キャピタルが、機器調達や保守管理、サービス料金の収受を担う。

図2:サービスの提供形態