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衛星を使って1日複数回更新する3Dの地図データ、NTTデータが発売

DIGITAL X 編集部
2020年12月18日

3D(3次元)の地図データを1日に複数回更新して提供するサービスを、NTTデータが2020年12月4日に開始した。レーダーを搭載する衛星を使って取得した全天候下の最新の地図情報で、インフラ整備などに利用できる。同日に発表した。

 NTTデータの「全天候型地図情報提供サービス」は、3D(3次元)の地図を提供するサービス(図1)。衛星で撮影するデータのため、人が入れない区域や悪天候時の土地の現況を把握するなど、インフラ設備の定期的な管理や、山岳域における自然災害の監視や土地利用の把握、災害発生時の状況把握などに利用できるという。

図1:「全天候型地図情報提供サービス」で提供するデジタル3D地図の例(雲仙普賢岳 平成新山)

 全天候型地図情報提供サービスでは、雲や煙を透過して撮影できるレーダーセンサーを搭載した衛星を使い、1日複数回の地上撮影が可能だ。レーダー衛星が撮影した画像を画像解析技術(NTTデータ製)によって加工し、地物抽出や3D地図化、差分解析などの情報を提供する。

 従来の光学衛星を使った撮影では、雲や煙にさえぎられるなどで更新頻度に課題があったが、今回は天候に依存せず、撮影開始から最短半日で3D地図画像を提供できるとしている。今後は、雲にさえぎられていない完全な3D地図を提供するために、従来の衛星画像を基にした高精度の「AW3D全世界デジタル3D地図」と組み合わせて提供する予定だ。

 レーダー衛星には、フィンランドのICEYEが運用する小型衛星を採用した。NTTデータは、同社との契約に基づき、サービス開始時点で3機を運用し、1日複数回にわたり日本の上空を撮影する。2021年度には10機に増やす計画だ。全世界に向けた衛星画像の付加価値サービスでも連携を図るという。

 NTTデータは今後、本サービスを含む衛星画像関連サービスで、2025年度末までに100億円の売り上げを目指す。