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IoTシステムのための産業用小型エッジPC、NECが発売

DIGITAL X 編集部
2020年12月22日

IoT(Internet of Things:モノのインターネット)システムにおけるエッジコンピューティングのための産業用PCを、NECが2020年12月9日に発売した。製造や物流、交通、農業などの現場での利用を想定する。同日に発表した。

 NECが発売した産業用PC「FC98-NXシリーズ」は、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)システムのエッジコンピューティング(末端付近での処理)での利用を想定した機種(図1)。今回、「ファンレスボックスタイプ」の2機種を追加した。
海外での利用に対応する海外認証モデルも、2021年3月から提供する予定だ。

写真1:NECの産業用PC「FC98-NXシリーズ」の「ファンレスボックスタイプ」の外観

 ファンレスボックスタイプは、ファンレス設計により防塵性を高めるとともに、従来製品と比較して体積を約2分の1にまで小型化した。防塵性能規格のIP5xに準拠し、大きさは、幅250.0×奥行き210.1×高さ90.7ミリ(ゴム足含む、突起部やコネクター部は除く)だ。

 製造や交通、物流の現場や農業の圃場などにおけるエッジコンピューティング用途での利用を想定する。設備の稼働状況や温度・湿度などの環境を遠隔監視したり、システムを遠隔制御したりするのに利用できる。設備機器への組み込みも可能だ。

 エッジ端末として、複数の設備やセンサー、IoTデバイスから収集したデータを一次処理することで、データの通信量やシステムの負荷を低減し、リアルタイムな処理を可能にする。搭載するCPUは、Celeron G4900TプロセッサかCore i3-9100TEプロセッサ(いずれも米インテル製)を選択できる。

 周辺機器や設備と連携用の拡張スロット(PCI Express x16)は1つ。オプションで増設LANボードやI/O(入出力)拡張ボードを用意する。IoTデバイスと接続するための無線通信モジュール(オプション)は、2021年3月から提供する予定。無線LAN、モバイル通信(3G/LTE)、920MHz帯特定小電力無線の3種のモジュールを用意する。

 サービス提供期間は、5年供給・7年保守。24時間連続稼働できるように、長期供給部材の選定などの対策を取っている。

 ファンレスボックスタイプの価格は、Celeron G4900T搭載の「A29X」が22万1000円(税別、以下同)から、Core i3-9100TE搭載の「A22K」が25万1000円から。今後5年間で2万台の提供を目指す。