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日本企業のDXは「CX(顧客体験)」への取り組みが海外より低い、IDC Japan調べ

DIGITAL X 編集部
2020年12月25日

日本企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)は世界の趨勢に近づきつつあるが、CX(Customer Experience:顧客体験)への取り組み姿勢が低い——。こんな調査結果をIDC Japanが2020年12月22日に発表した。

 IDC Japanが発表したのは、国内外の企業を対象に実施したアンケート調査『IDC DX Sentiment Survey』分析結果。これによれば、企業/組織におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の適用業務では、国威内外を問わず「IT/情報システム」「業務オペレーション」「戦略策定」「マーケティング」の項目が比較的高かった(図1)。

図1:日本と世界の企業/組織におけるDXの適用業務の比較

 DXの課題についても「イノベーションのサイロ化」「サイロ化されたDX推進」の項目が、国内および世界で同様に高い回答率を示した。

 一方で国内と世界で差の大きい項目の1つがCX(Customer Experience:顧客体験)」。日本企業の回答比率は世界より15ポイント以上低かった。

 IDC Japanは、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡大により企業と顧客とのエンゲージメントがよりバーチャルになっていくなか、国内企業においても今後は、CXを高め顧客1人当たりのライフタイムバリューを高めることが最重要視されるとみている。

 「戦術的な計画」も国内外で差が大きかった。世界では50.9%が課題だとするのに対し、日本企業は31.5%に留まった。

 個々のDXプロジェクトが、長期的・戦略的な計画とは別、あるいは、それらなしに進められる場合、「戦術的な計画」は「サイロ化」の原因になると考えられる。IDC Japanは、日本企業は「サイロ化」の根本にある長期的・戦略的な計画立案にも目を向ける必要があるとする。

 IDC Japan ITサービスグループのリサーチマネージャーである山口 平八郎 氏は、「国内企業のDX推進体制は、すでに世界の趨勢に追いついている。COVID-19で社会情勢や顧客との関わり方が変わる中、日本企業は社内DX体制をベースに、より“攻めのDX”へと軸足を移すべきだ」と指摘する。